活発な火山活動が続く箱根山について、立ち入り制限区域となっている大涌谷に、８日の立ち入り全面禁止以来初めて温泉の供給業者らが入り、温泉装置の点検などを行った。

　１４日に立ち入り制限区域に入ったのは、神奈川県箱根町の宿泊施設などに温泉を供給する業者や、運休が続く「箱根ロープウェイ」の関係者ら１６人。立ち入りには、ヘルメットや盾などの重装備が義務付けられており、安全管理に気を配りながら、制限時間の午前９時から１１時まで温泉の配管の掃除などの作業が行われた。

　ただ、メンテナンスが必要な温泉設備のほとんどは、今も立ち入りが禁止されている、最も蒸気が吹き上げる場所から半径２００メートル以内の区域に集まっているため、温泉の供給を受けている旅館からは不安の声も上がっている。

　箱根温泉山荘なかむら・中村喬オーナー（８３）「一時でも早く温泉管のメンテナンスをして、スムーズに供給してくれることを願ってるしかない」

　周辺の旅館では、湯量や温度に変化がみられるとの声も上がっており、今後、十分な湯量を確保できなくなることも懸念されている。

　一方、１４日は、気象庁も大涌谷周辺で地表の温度に変化がないか調べる予定。