温泉業者「湯量が通常の8割」箱根・大涌谷
活発な火山活動が続く箱根山では、立ち入り制限区域となっている大涌谷に、8日の立ち入り全面禁止以来初めて、温泉の供給業者らが入った。業者によると、温泉の配管の詰まりなどで、湯量が通常の8割ほどに減っているという。
14日に立ち入り制限区域に入ったのは、神奈川県箱根町の宿泊施設などに温泉を供給する業者や、運休が続く「箱根ロープウェイ」の関係者ら16人。温泉を供給する業者は、ヘルメットや盾などの重装備で、温泉の配管から硫黄を取り除く掃除などの作業を行った。
業者によって撮られた温泉の配管の写真からは、スケールと呼ばれる硫黄の結晶がびっしりと詰まっているのがわかる。この業者によると、配管の中には硫黄でお湯がせき止められ、隙間から漏れてしまっているものもあり、こうした影響で、供給する温泉の湯量が通常の8割ほどに減っているという。
温泉の供給を受けている旅館からも、不安の声が上がっている。
箱根温泉山荘なかむら・中村喬オーナー「一時でも早く温泉管のメンテナンスをして、スムーズに供給してくれることを願うしかない」
周辺の旅館では、湯量や温度に変化が見られるとの声も上がっており、今後、十分な湯量を確保できなくなることも懸念されている。