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【解説】“なぜ国葬に”…岸田首相「閉会中審査」で説明へ… 官邸関係者「周りもみんなで止めた」

2022年9月8日 1:30
【解説】“なぜ国葬に”…岸田首相「閉会中審査」で説明へ… 官邸関係者「周りもみんなで止めた」

安倍元首相の国葬をめぐり、8日に国会で「閉会中審査」が行われます。国会が閉会中に、衆議院や参議院が『必要だ』と認めた案件について審議するこの場に、今回は岸田首相自ら「出席する」と表明しました。ある官邸関係者は、「これは異例だ」と話しました。

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■官邸関係者「周りもみんなで止めたんですから…」

日本テレビ・岩本乃蒼アナウンサー
「安倍元首相の国葬をめぐり、8日、国会で『閉会中審査』が行われることになりました。『なぜ国葬にするのか』、『法的根拠』は…。そして、『16億6千万円という費用が妥当なのかどうか』などについて、岸田首相自ら説明し、質疑が行われる予定です」
「この『閉会中審査』というのは、いわゆる国会とは違うものなんですよね?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうなんです。閉会中審査というのは、国会が閉会中に、衆議院や参議院が『必要だ』と認めた案件について審議することです。今回は、『議院運営委員会』という場で行われますが、ここに首相も出席して、テレビ中継もする形で行われる予定です」
「これ、よく首相が出席を求められて、『国会のことは国会で決めることなんだ』と突っぱねているシーンを見たことはないですか?」

岩本
「追及を受ける時とか、都合が悪そうな時に言っているイメージがあります」

小栗
「実は本来、首相が閉会中審査に出席するかどうかなどは、与野党のせめぎ合いの中で決められていくものですが、今回はその前に、岸田首相自らが『出席する』と表明しました。ある官邸関係者は、『これは異例ですよ。周りもみんなで止めたんですから。でも、首相の強い思いで、出ることになったんです』と話していました」

岩本
「首相自ら説明する方がいいと思いますけど、周囲は止めたんですか?」

小栗
「もちろん、首相が説明すること自体はとても良いことですが、政府、自民党内では、『じゃあ“国会のことは国会で決める”と、これまで言っていたのは何だったんだ』『都合のいい言い訳にすぎなかったんじゃないか』となって、もう次からは、この手は使えなくなってしまうというわけです。自民党幹部からは、『首相が行きたい時だけ行くという前例を今回、作っちゃったよね』と嘆く声も聞かれています」

■“国葬”のあり方 変わることは?

岩本
「8日は与野党の審議もあるとなると、それ次第で国葬のあり方が変わることもあるのでしょうか?」

小栗
「政府としては、基本的にはすでに閣議決定し、海外にも通知していることから、何か変えることは前提としていません。岸田首相の周辺は、『説明できることはすべて明らかにして、それでも国葬に反対する声があれば、甘んじて受ける』。また、ある自民党の幹部は、『しばらくは我慢だ。アメリカのハリス副大統領らが来て弔問外交が始まれば、少し空気が変わるはずだ』と話していました」

岩本
「辻さん、いかがですか?」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「金額の問題ももちろんありますし、そもそも戦後、首相経験者の国葬はほぼ前例がない中で、なぜ今回は特別なのか。その説明や議論が十分でないまま閣議決定されたことが、そもそもやはり問題だなと思います」
「税金として費用を負担する私たち国民が納得できるような理由が見えないから、世論調査でも反対が多かったり、中止を求める署名がたくさん集まったんじゃないかなと思うので、8日の閉会中審査も、まずは『なんで、今回だけ国葬なのか』、改めて説明を聞きたいなと思います」

岩本
「閉会中審査は8日の午後、衆議院、参議院それぞれで行われます」

(9月7日放送『news zero』より)

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