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「高齢者にフェーズ変わってきた」感染急拡大の東京 訪問診療の現場は…

2022年2月10日 18:10
「高齢者にフェーズ変わってきた」感染急拡大の東京 訪問診療の現場は…

政府は10日、東京など13都県へのまん延防止等重点措置の期限延長と、新たに高知県にも適用することを正式に決定します。新型コロナウイルスの感染者が急拡大した東京で、自宅療養する人の往診などを行う訪問診療の専門チームを取材しました。

10日、都内にある飲食店が気にしていたのは「まん延防止等重点措置」の延長について。

根室食堂・平山徳治店長
「決定ですよね、やっぱり。これ、いつまで続くんですかね」

政府は13都県へのまん延防止等重点措置について、今月13日までの期限を、来月6日まで3週間延長することや、高知県へ新たに適用することを正式に決めます。

重点措置の期間中、酒を提供し午後9時まで営業をしている根室食堂の平山店長は「どうやってここを守り続けるか、ちょっと答えが見えてこないですよね」と話します。

今年に入り、来店する人は例年の約1割に減少。家賃や光熱費などをまかなうため、国や都からの給付金と少ない売り上げで、どうにか営業を続けているといいます。

そして、重点措置延長で悩んでいたのは――

根室食堂・平山店長
「来週解除という予定でいましたので、アルバイトを完全に休ませているんですよ」

現在10人いるアルバイトのうち8人は休みに。今後、アルバイトがやめてしまうことも覚悟しているということです。

   ◇◇◇

重点措置が延長される理由の一つが感染者の異常な多さです。10日の東京都の新規感染者は1万8891人と、いまだ高い水準で推移しています。

医療現場では何がおきているのか。都の保健所から依頼をうけて自宅で療養する人の往診などを行う訪問診療の専門チームに同行しました。

練馬光が丘病院から応援でチームに加わっている小坂医師もその1人です。

医療法人社団悠翔会 コロナ専門往診チーム・小坂鎮太郎医師
「基本は電話診療ですむなら、近隣クリニックでやっているんですけど、それじゃ対応できない可能性が高いから、こっちに流れてきます。緊急性を判断するのが今、ぼくらの仕事になっています」

感染者の急拡大により、先月は1日5件ほどだった依頼が現在は約4倍の20件にまで増加。1日10件は訪問診療を行っているといいます。

9日に訪ねたのは、認知症や心不全などの持病がある90代の女性。呼吸が荒くなってはいますが、すぐに酸素投入が必要な状況ではないといいます。

それでも――

小坂医師
「一応、入院でみるほうが安全かな」

女性は食欲がなく脱水症状などもあることから、本来ならすぐ入院すべき状態です。このため保健所へ入院調整を依頼しました。

小坂医師によりますと現在、新型コロナ以外の入院患者もいて、多くの病院が満床状態。入院を依頼しても最大で2日ほどかかるといいます。

また、発症から4日目の20代の男性には、訪問診療とともに体内の酸素量をはかるパルスオキシメーターを届けました。

ワクチンを2回接種していて症状は重くはありませんが、のどの痛みがあり、息苦しさがあるという男性。東京都から自宅療養者に届くパルスオキシメーターが、発症4日目でもまだ届いていませんでした。

小坂医師
「(感染者の)数が多すぎて 間に合っていないんだと思います」

現在の状況について小坂医師は、子供など若い世代の感染が多い状況から、高齢者にフェーズが変わってきたと話します。

小坂医師
「どちらかというと、持病の悪化ですよね。もともとある病気が 悪化させる要因になっていて、入院するとか治療が必要みたいなことが多いと思います」

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