富十郎さん長男、き然とあいさつ「僕が継いでいこうと」
直腸がんのため3日に亡くなった歌舞伎俳優で人間国宝の中村富十郎さん(享年81)の葬儀・告別式が28日、東京・築地本願寺で営まれた。歌舞伎俳優の市川団十郎(64)ら約1000人が弔問に訪れた。祭壇には天皇陛下からの祭粢料(さいしりょう)も置かれた。11歳の長男、鷹之資は遺族を代表し、き然とした様子で「父の遺志はきっと僕が継いでいこうと心に決めています。僕たちはいつも4人家族。父の声は今も僕たちに聞こえていて、僕たちの中で生きています」と思いを語った。妻の正恵さん(48)は「主人は決して順風満帆な人生ではございませんでした。つらい時も舞台を励みに生きてまいりました」と語った。17日は15回目の結婚記念日だったという。