福島で撮影、豊原功補「心の支えになれば」
映画「トテチータ・チキチータ」(4月7日公開)のプレミア試写会が11日、都内で開催され、キャストの豊原功補(46)、松原智恵子(67)、寿理菜(11)、葉山奨之(16)らが舞台あいさつを行った。
孤独を抱え人生に絶望した主人公(豊原)が、不思議な少女(寿理菜)に導かれて「前世で家族だった」人々と出会い、家族の絆を知り、再び人生を歩き出すというストーリーで、戦争の記憶と震災後の福島の現状が交差するヒューマン・ファンタジー。
東日本大震災で被災した福島で昨秋に撮影。地元の小学生らもエキストラで出演した。松原は「小学生たちはみんな元気で、わ〜って走りまわっていましたね」とにっこり回想。ロケは3食とも弁当だったが、豊原が「撮影場所のすぐ近くにおそば屋さんがあって、松原さんがおそばが食べたいと言い出しまして、どうしてもと言うので撮影を15分待ってもらって2人でおそばを食べました」と裏話を明かすと、松原は恐縮しながら「はい、すみませんでした」と素直に謝り、会場の笑いを誘った。
震災からちょうど1年が経過。松原は「この映画を皆さまに見ていただいて、少しでも心があったかくなるような気持ちになってお帰りになってもらえたらうれしい」と思いを伝えた。豊原は「僕のような一役者が何を言っても言葉が足りないので、あまり多くは言いませんが、自分は役者であって映画を作ったり、何かを演じたり、その中でそのひとときを(作品を通じて)新しい明日に向かっていけるような希望を見つけられる、そういう心の支えになればと思って頑張っています。また楽しい日々が来るように一緒に歩んでいきましょう」と呼びかけた。