稲垣潤一、芥川賞作家の30年愛に感謝
歌手の稲垣潤一(58)が9日、都内でカバーアルバム「ある恋の物語 My Standard Collection」(13日発売)のリリース記念イベントを行った。
「007のテーマ〜ロシアより愛をこめて」や「Dream」など、誰もが耳にしたことのある洋楽のスタンダードナンバー11曲を日本語でカバーした。歌手の尾崎亜美(55)、荻野目洋子(43)ら豪華なゲストアーティストも参加している。
稲垣は「自分のルーツでもある、みんながどこかで聴いたことがある曲がJ−POPに変わっている。曲調もラテンやタンゴなどバラエティーに富んでいる。知らない曲は新曲として楽しめると思う」と仕上がりに自信。「2、3年前から温めていたテーマ。念願かなって制作することができました。これからライブでも披露していきたい」と話すと、集まった500人のファンから拍手が湧き起こった。
リリースを祝福して、ファン歴30年という芥川賞作家の西村賢太氏(44)も花束を抱えて会場に駆け付けた。
「非常に女性から反感をかう作風の僕が申し訳ないですが、これも稲垣さんのファンの裾野の広さということで……。みなさんのようなハイソサエティーな方から、僕のようなものもいるということでお許しください」と恐縮し、稲垣の音楽が執筆の手助けになっていると告白した。
聴き方にも作家のこだわりがあり、「原稿の清書のときは士気を高めるためにベスト盤を聴く」というのが流儀で、「(デビュー曲の)『雨のリグレット』を聴いてガーンときて、レコードも買いました。そこから30年、続いています。やはり声が心地いい」と熱い思いを告白。稲垣はその言葉を受け、「これからも、稲垣潤一をよろしくお願いします」と一礼した。