高良健吾、学生を勧誘「誰がやってもいい」
俳優の高良健吾(24)と沖田修一監督が2日、東京・法政大学市ケ谷キャンパスで映画「横道世之介」(2013年2月23日公開)のトークイベントを開催した。
1980年代を舞台に、上京したての大学1年生・横道世之介の日常と彼を取り巻く人々を優しい目線で描いた作品で、横道が長崎から上京後に法政大学の経営学部に入学することから、実際に法政大学市ケ谷キャンパスで撮影が行われた。
高良は「世之介は自分が今までやってきたどんな役とも違って頼まれたら断れない感じ、物ごとに関しての距離感があり、すごく居心地がよかった」と役柄に魅了されたことを明かし、「九州から上京してきた役だったが、自分が(熊本から)上京してきたときに、渋谷の人ごみにすごく驚いた。『ひとごみ』という言葉を混雑の方の『ごみ』ではなく『ゴミ』だと思ってたので、『俺もゴミの一部なのか…。そんなふうにゴミと思ってしまってはいけない…』というようなことを思ってしまった」と回想した。
中学校のころから映画はよく観ていて俳優をやりたかったという高良。中学3年のときに苗場に男4〜5人で行きビデオカメラで映画を撮り、それが楽しくて家に帰ってからも使っていないビデオカメラで撮ったりして遊んでいたのがそのまま今になったという感じという沖田監督。
これから社会に旅立つ学生は、2人のトークに耳を傾ける。
働くうえで大切にしていることについて、高良は「自分が楽しむこと。あんまりネガティブなことを言わない。監督のOKを信じているのでもう1度やらせてほしいということはないがあとはほんと、自分が楽しんでやるということかな」と学生にアドバイス。
監督や俳優を目指す若者に監督は「30歳くらいまでバイトしててもめげないでください。根拠のない自分の自信は持っていたらいいと思う。お金はたくさん使ったらいいと思う。後で後悔すると思うけど」と言葉をおくり、
高良は「誰がやってもいいんだろうなというのはある。みんな絶対違うから面白いと思う。あまりそんなに考え込まず、作り込まずに。飯を食う、風呂をためて気持ちいいと思うとか空がきれいだとか、人間生活を、普通のことを大事にした方がいい。ただきょういる学生の人たちと世代は全然変わらないしえらそうなことは言えないのですが、一緒に頑張っていければと思う」と語った。