東野圭吾原作に成井氏「話が抜群に面白い」
演劇集団キャラメルボックスの舞台「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の製作発表が25日、都内で行われた。
近隣住民の悩み相談に応じていた、現在は廃屋の「ナミヤ雑貨店」に逃げ込んだこそ泥3人が、遊び心で過去の悩み相談の手紙に返事を書いたことから始まるタイムトラベルファンタジー。
原作は作家の東野圭吾氏の同名小説で、脚本・演出を務める成井豊氏(51)は公演の見どころを「しいて言うなら話の面白さ。面白いんですよ。東野さんは素晴らしい作品をたくさん書きますけど、そのたくさんの中でもこの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』というのはかなり上位に入る傑作だと思います。話が抜群に面白い」と強調。「と、すると、話の時点で私たちは大勝利して、間違いないはずなんですよ。もし私たちの芝居を見に来たお客さんが、つまんないなと思ったら、それは私たちの責任」とプレッシャーも感じている様子で、「この話の面白さプラス、それに対して私たちがどう取り組んだのかというところを見ていただきたい」と呼びかけた。
ストーリーにちなみ、取材陣から「時を超えて手紙を交わせるなら、誰と交わしたい?」という質問も飛んだ。こそ泥役の多田直人(29)は「未来にも出せるのだとしたら、僕は将来の伴侶に手紙を出したい」とロマンチックな答えを導き出したが、雑貨店の店主を演じる西川浩幸(48)が「結婚してなかったっけ?」と素朴な疑問。多田は「今は独身です」と困り顔で答え、会場から笑いが起こった。
同じくこそ泥役の筒井俊作(30)は、漫画家の故赤塚不二夫さんに「子どものころからずっとかわいがっていただいていた」と明かし、「あの人はものすごくお酒が好きだったんですけど、僕がお酒を飲んでいい年になる前にお別れをしてしまったので、今、僕はお酒が好きなので、やはり『一度、あなたとお酒が飲みたかったです』という手紙を書きたいなと思った」としんみり語った。
東京公演は、5月11日に東京・池袋のサンシャイン劇場で初日を迎える。