「共喰い」ロカルノ国際映画祭でダブル受賞
俳優の菅田将暉(20)の主演映画「共喰い」(9月7日初日)が、スイスで開催中の「第66回ロカルノ国際映画祭」で「YOUTH JURY AWARD最優秀作品賞」と「ボッカリーノ賞最優秀監督賞」を受賞した。
「YOUTH JURY AWARD」は若い審査員らが選ぶ賞で、「ボッカリーノ賞」はスイス国内の批評家らが選ぶ。
「YOUTH〜」の審査員は、「監督は繊細なテーマを知性を持ってシンプルに表現し、その世界観は力強く豪華なキャスティングによってさらに昇華され、地方の小さな街の澱みに暮らす人々の居心地の悪さや不快感をみごとにスクリーンに再現することに成功している。不運にも受け継いでしまった父親の人間としての劣性と向き合い、深い苦悩を抱える主人公の遠馬の心と体の成長を、彼を取り巻く女性たちが力強く支える傑作である本作に最優秀作品賞を贈ります」と受賞理由をコメントした。
青山真治監督は「『共喰い』の世界と主人公・遠馬の苦悩が、若い人たちに理解されたことが何よりもうれしいです。これからのみなさんにとってこの映画が記憶に残るものになったら幸せです。そのように映画を理解してくれたことをとても心強く感じます。みなさんの女性の力に対する理解がこの作品によって深まったとしたら、この映画を作った甲斐があると思います」とコメント。
菅田は「19歳の自分のすべてをさらけ出した作品です。だからこそ、日本以外でも若い世代の皆様に遠馬の葛藤が届いたことが何よりうれしいです。心から感謝しています」と心境を伝え「『共喰い』を経て、俳優として人の心に残る作品を生み落としていけるように頑張ろうとあらためて思いました。全力でもがいていきたい、と。自分の生きる指標ができました。本当に感謝です」と誓った。