藤竜也「今まででいちばん、かっこいい役」
俳優の緒形直人(46)、女優の南果歩(50)らが5日、都内で映画「サクラサク」の公開初日舞台あいさつを行った。
心がバラバラになりそうな家族が、東京から福井を目指す旅の中で少しずつお互いを見つめ直す再生の物語で、原作はシンガー・ソングライターのさだまさし(61)。主題歌「残春」も担当している。
主演の緒形は「この映画にはやさしさが詰まっています。皆さまが、これからのことを考えるきっかけになれば」と映画の力に期待。
家族のあり方に一石を投じる認知症の老父を演じた藤竜也(72)は「特に言うことはないんだけど」と物静かな感じで切り出し、「今まででいちばん、かっこいい役をやったんじゃないかなと、僕は思っています」とベテラン俳優を魅了した役柄を振り返った。
映画を通し、出演者はそれぞれ家族に対する考えを新たにしたようで、緒形は「きちんと目を合わせて話すことが大事だなと思いました。それから『ありがとう』という言葉も」としみじみ。南は「一緒にご飯を食べることですよね」と食卓第一を訴えた。
貫禄のコメントは藤のそれだった。
当初、「家内や息子がいなかったら、僕は死にます」と心細い胸の内を明かしたが、「長く長く時間をかけて磨いてきたんで、たまに悪さをするとガタガタするけど、それを乗り越えてきたから家族がすごい」と、自慢の家族の結束力を紹介した。