×

作品賞など3賞…ジブリ西村P「良かった」

2014年4月28日 22:02
作品賞など3賞…ジブリ西村P「良かった」

 映画批評家が選考基準を満たした作品を選定し、賞を決定する「第23回日本映画批評家大賞」の授賞式が28日、都内で行われた。
 
 アニメーション部門では、ジブリ映画「かぐや姫の物語」が作品賞、監督賞、功労賞を受賞した。
 
 高畑勲監督(78)の約14年ぶりの監督作品で、西村義明プロデューサーが作品賞受賞のあいさつ。「僕がこの作品に関わったのは今から8年前。28歳でした。できたころには36歳になっていたんですけど。高畑監督は遅筆で知られている方で、なかなか作品を作ってくれません。その方を説得するところからはじめまして…」とぼやきで笑いを誘い、「多くの方に見ていただけただけじゃなくて、批評家の方からも評価していただいて、本当に良かった」と苦労が報われたことを喜んだ。
 
 監督賞に輝いた高畑監督はスケジュールの都合で授賞式を欠席したが、手紙を寄せ、文面を西村プロデューサーが代読した。「『かぐや姫の物語』は日本を代表するアニメーターと美術家たちが長期にわたって心血を注ぎ、他の全スタッフがそれを支えてくれた結果、できあがったものです。私はそれを評価されたことに大きな喜びを感じています」と思いを伝え、「この作品が日本のアニメーション映画の次なる1歩への刺激となることを信じて」としめくくった。
 
 本作などの編集などを担当し、功労賞に選ばれた編集者の小島俊彦氏は「命を吹き込んだもの(作品)に対して、切ったり落としたりするのが編集(の仕事)」と説明。「キャリアを積むと(編集することが)どんどん怖くなってきました。毎回、作品が入るたびに『自分でいいんだろうか?自分はふさわしいんだろうか?』と自問自答し、そういう中で『かぐや姫の物語』は、僕の編集人生の中で、これほど切れなかった作品はないという、そういう作品でした。なので、自問自答する中でこの賞をいただいたのは背中を押された気がしてとてもうれしく、また勇気を持ってこれから仕事に臨んでいきたい」と前を見据えた。