菊之助、日中友好に「全力を尽くす所存」
歌舞伎俳優の尾上菊之助(37)が25日、都内で「日中友好 京劇・歌舞伎 北京公演」の記者会見を行った。
日中友好の懸け橋となるべく4月2日と3日に中国・北京の梅蘭芳大劇院で開催する公演で、日本の歌舞伎と中国の京劇をそれぞれ1演目ずつ上演する。
舞踊「春興鏡獅子」を踊ることになった菊之助は、その歌詞の中に「清涼山」が出てくると話し、「皆さまご存じの通り、清涼山というのは中国の山。日本の古典の作品は、中国と深い関わりがある」と説明。
「今回の(北京公演の)舞台は花道がございませんので、舞台正面から獅子の登場とさせていただきます。日本では絶対にないことだと思うのですけど、特別に美術さんにお願いをしまして獅子の後ろに清涼山の絵を描いていただくことにしました。清涼山から獅子が出るという構造にさせていただきまして、日中友好の舞台とさせていただきたい」と特別感を打ち出し、「日中友好に全力を尽くす所存でございます」と決意を語った。
菊之助の祖父の七代目尾上梅幸が、日中平和友好条約が結ばれた1年後の1979年、「日本歌舞伎訪中使節」として中国で「春興鏡獅子」を披露している。
菊之助は「それをまた孫にあたる私が北京で踊らせていただくのは、非常にご縁を感じるとともに、ありがたいことだと思っております」と喜びをかみしめた。