吉右衛門、憧れの平賀源内の作品「楽しみ」
歌舞伎俳優の中村吉右衛門(71)、中村東蔵(77)、中村歌六(64)らが22日、都内で行われた国立劇場11月歌舞伎公演「通し狂言 神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」(11月3日〜)の記者会見に出席した。
南北朝時代の内乱を描く軍記物語「太平記」を題材に、福内鬼外(ふくうち・きがい=平賀源内の筆名)が手掛けた浄瑠璃作品。
初代吉右衛門が演じてから100年ぶりに由良兵庫之助(ゆら・ひょうごのすけ)に挑む吉右衛門は、「次から次へと奇想天外なことが起きていくのが、福内鬼外先生の狙いかもしれない。それを念頭に作りたい」と意気込みを見せた。
学生時代に日本史で平賀源内という人物を知ったとき、その非凡な才能に憧れたという。
「その方の芝居をさせていただける、それだけでも楽しみです」と目を輝かせ、「平賀源内って人は大変な天才だった。日本人の誇り。そのつもりで大切にお芝居を、100年ぶりではございますけれども、作り上げて、再構築して、皆さんに『あっ、面白い舞台だった』と思ってもらえたら幸いです」と話した。
兵庫之助の妻・湊(みなと)を演じる東蔵も「100年ぶりの狂言なので、どなたもご存じないのが、ちょっと安心です」と茶目っ気たっぷりにあいさつし、「『今までどうしてやってなかったのだろうな』って皆さんに思われるようないいものができたら。参加した自分の喜びになります」と期待した。