米良美一、歌声は6割7割戻ってきています
カウンターテナー歌手の米良美一(44)が14日、神奈川県・横浜みなとみらいホールで行われる「ヨコハマ・ポップス・オーケストラ2015」の公演前に報道陣の取材に対応した。
昨年12月8日にくも膜下出血で倒れ療養していたが、今月6日に群馬県内で開催された「ふたりの歌謡ショウ」でステージ復帰を果たした。
この日、復帰後初めて、報道陣の前で体調について語った。
付き添いの人に体を支えられながらも、しっかりした小さな歩幅でゆっくりと歩きながら登場し、「ご心配かけてすみません」とあいさつ。病気の前兆がまったくないまま倒れた当時を振り返り、「どういう風に倒れたかの記憶がなくて、記憶が自分の中で結びついたのが1カ月から1カ月半くらい経ってからなんです。(倒れたときに)意識はあっていろいろ話していたんですが、全然覚えていなくて…」と恐縮気味に語った。
意識がきちんと戻ったのは病室。まず心配になったのは声が出るかどうかで、「恐る恐る声を出しました。音程が取れたときはすごくうれしかった。また『歌が歌える』って思いがジワーっとしみわたってありがたかったです。(歌声は)10割出ているわけじゃないけど6割7割は戻ってきています」と笑顔で報告した。
現在、自宅でリハビリを続けている。
「理学療法士の先生の力を借りて続けています。やっとヨチヨチ歩きができるようになりました。昔はカッコつけてヒールの靴を履いていたけど、そんな余裕がなくてベタ靴を履いて、本当の身長でいるのが裸でいるくらい恥ずかしい」と照れ笑いした。
会場に届いた祝いの花を眺めながら、「お祝いの花でよかった!本当にやばかったから」とジョークを飛ばす余裕も。今後の体調を楽観しすぎることはなく、「言い方は無責任だけど、神のみぞ知る。気をつけて生きなきゃ、だけど自分でどうこうできるものではないと思う」と慎重な姿勢を崩さない。
久々に大きなホールで歌うまでに回復したことにしみじみ喜び、「生き延びて歌を聞いてもらえることが、どれだけ特別なことか」と目を輝かせた。
今後の目標は「長生きして、死ななかった分、皆さんに喜んでいただけるような活動を続けていきたい」と語った。