鳥羽一郎弔辞、船村さんは世界一のオヤジ
16日に心不全のため亡くなった作曲家の船村徹さん(享年84)の葬儀・告別式が23日、東京・護国寺で営まれ、船村門下生の鳥羽一郎(64)が弔辞を読んだ。
22日の通夜後の取材で、弔辞を「自分らしい言葉」で送ると語っていた鳥羽。
祭壇に飾られた遺影を見つめ、「たとえば俺が 死んだなら いのちのすべてを 灰にして 北の空から 撒いてくれ」と、船村さんが作曲した「悠々と…」の歌詞を挙げ、「先生は1年前、俺にそんな歌詞の歌を歌わせて、あれは辞世の歌だったんですか?遺言だったんですか?」と呼びかけた。
「内弟子3年、その後もずっと男の生き方、考え方を全部教えてもらいまして、先生は世界一のオヤジです。自分の神様です。心配や迷惑もかけましたが、俺はオヤジの不肖の息子です。76曲も俺はオヤジの曲をもらいました。一番多くもらいました。そして一番いい歌をいただきました。それが俺の宝です。俺の自慢です」と尊敬と感謝を伝え、「2月16日にオヤジの魂は俺の体の中に入りました。俺は生涯、オヤジと一緒です。そして一生歌っていきます。同門会のみんなも同じだと思います。俺はそう覚悟して決めました」と、歌とともに故人が生き続けることを強調した。
出棺時には、走裕介(43)ら船村門下生が鳥羽の楽曲「師匠(おやじ)」を合唱しながら棺を運んだ。
長男で作・編曲家の蔦将包(54)は喪主あいさつで、「(父親は)栃木の小さな村に生まれまして、作曲家・船村徹となって60数年間、最後まで船村流を貫き通して、太く長く人生を送れたと思っております。本当に長い間、皆さまありがとうございました」と、弔問客800人に頭を下げた。