世界的音楽家の坂本龍一さんが、3月28日に亡くなっていたことを2日、所属事務所が発表しました。71歳でした。

坂本さんは、1978年に細野晴臣さん、高橋幸宏さんとともにYELLOW MAGIC ORCHESTRA（イエロー・マジック・オーケストラ）、通称"YMO"を結成。コンピューターやシンセサイザーを駆使した斬新な音楽で、一躍人気に。ヒット曲を連発し、海外へも進出しました。

その後、1983年に公開され大ヒットを記録した映画『戦場のメリークリスマス』では音楽を担当し、俳優としても出演。英国アカデミー賞作曲賞を受賞し、多くの映画音楽を手がけるようになりました。1987年公開の映画『ラストエンペラー』では、アメリカのアカデミー賞作曲賞、グラミー賞などを日本人で初めて受賞し、海外でも高い評価を得ました。

一方で、2014年に中咽頭がんであることが判明。約6年を経て寛解しましたが、2021年には新たに直腸がんが見つかったことを公表していました。

闘病生活を続けながらも、2022年12月には約2年ぶりのコンサートを開催。開催を発表した際、坂本さんは「これが最後かもしれない」と語り、体調については「かなり体力も落ちてしまって1時間とか1時間半もね、通常のコンサートっていうのはもう難しいんですよね」と明かしていました。

さらに、71歳の誕生日である1月17日には、約6年ぶりとなるオリジナルアルバムを発売。6月に公開予定の是枝裕和監督の新作映画に、書き下ろし楽曲の提供が発表されるなど、精力的に活動を続けていました。

所属事務所によると、晩年はがんの治療を続けながらも体調の良い日は自宅内のスタジオで創作活動を続けていたといいます。また、坂本さんの強い遺志により、葬儀は近親者のみで執り行われたということです。