松本白鸚、子ども3人が仕事を継ぎ「喜び」
歌舞伎俳優の松本白鸚(76)、松本幸四郎(46)が24日、都内で「松竹大歌舞伎」東コース製作発表に出席した。
昨年1月に白鸚、幸四郎をそれぞれ襲名しており、今回の巡業は襲名披露公演となる。
襲名から約1年半が経過したが、心境の変化について幸四郎は「何もないというのが正直なところ」ときっぱり。幸四郎の発言に苦笑した白鸚は「新幸四郎は、確かに器は大きくなりました」と笑いを誘い、「本当に好きな踊り、歌舞伎を続けさせていただいて。去年11月の南座の勧進帳では、私が富樫で新幸四郎の弁慶を相手にしましたけど、その時の弁慶は最初に演じた時よりも数段よくなっておりました」と成長ぶりをたたえた。
さらに自身の心境の変化として白鸚は「私は息子に幸四郎を渡しましたけれど、ほかに娘が2人いまして。長女の松本紀保も私が小さな劇場でやっておりましたのを(受け継いで)コツコツと(舞台を)やっております。二女の松たか子は私がやっていたテレビやミュージカルを引き継いでやっています。3人の子が私のやってきた仕事を継いでくれるような気がします」としみじみ。
「2人の娘に言いましたら『私たちはそういう気は全然ない』、新幸四郎は今のように『全然変わらない』という感想をもらいましたけれども…」と続け、笑いを誘いつつも「私自身の中では、内心3人の子どもに自分のやってきた仕事を渡すことができた。それが小さな喜び、心境の変化でございます」と語った。
6月30日の東京・江戸川区総合文化センターから、全国24か所で公演をする。