スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが３０日、都内で行われた新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」の製作発表会見に出席。歌舞伎化への思いを明かした。

これまでも漫画「風の谷のナウシカ」の実写化などについてハリウッドほか各所から多数オファーが来ていたものの、すべて断っていた宮崎駿氏だったが、今回は「なぜか彼が『やろうよ』と言ってくれたんです」と鈴木氏。
宮崎氏は「タイトルを変えない」「記者会見、その他を協力しない」という２つの条件を出し、歌舞伎化を承諾したという。

鈴木氏は、宮崎氏にとってのナウシカを「いろいろやってきた中でも一番大事な作品」と説明し、「本当に精魂を込めて、自分の持っているものをすべてぶつけた作品。だからその後ラピュタとか、その他いろんな作品を作りましたが、彼の中心にあるのは全てこの『ナウシカ』でした。彼の中ではこの『ナウシカ』の一部を切り取って作品（アニメ）にしたのが多かった」と告白。
鈴木氏は「期待しています。いい作品を作ってください」と尾上菊之助（４２）と中村七之助（３６）にエールを送ることも忘れなかった。

ナウシカを演じる菊之助も「（宮崎）監督が大事にしている、そしてスタジオジブリさんが大事にしているものをお預けいただいたという責任は非常に感じております」と表情を引き締め、「今のラグビー日本ではないですけど、みんなは一人のために、一人はみんなのために。一場面一場面、しっかりと一座、力を合わせて作り上げていきたい」と意気込んだ。