乙武洋匡氏、義足歩行は「苦しくて楽しい」
作家の乙武洋匡氏(43)が6日、義足歩行練習を都内で報道陣に公開した。
生まれつき四肢が欠損している乙武氏は、足首や膝部分にモーターを搭載したロボット義足により二足歩行を試みる「乙武義足プロジェクト」に2017年10月から挑戦。
刊行したばかりの著書「四肢奮迅」(講談社)では、歩行練習などプロジェクトの全貌を明かしている。
乙武氏はこの日、義手とロボット義足を装着して10メートルの歩行を実施(最長歩行距離は20メートル)。
乙武氏は初めて歩行が成功した時の心境を「うれしかったというよりも怖さが先に立っていた」と明かし、「怖さを払拭しながら平行棒にもつかまらず無我夢中でやっていたら、いつの間にか歩けていた」と振り返った。
義足は両足で約9キロ。乙武氏は練習の日々を「本当に苦しくて苦しくて楽しい」と回想し、「越えなければならない壁があまりにも多すぎて。苦しいことの方が圧倒的に多いんですけど、その苦しさを乗り越えて、ちょっと歩けるようになると、ものすごくうれしい」と語った。
自身は二足歩行にこだわってはいないようで、「自分の足で生活したいと思っていらっしゃる方が多くいらっしゃる。『乙武が頑張っているね』っていうことは二の次で、義足にスポットライトが当たって、多くの方に歩ける可能性が出てきたという希望が届けられたら」と明かした。