パパ菊之助、丑之助の事前けいこで絵本活用
歌舞伎俳優の尾上菊之助(42)が14日、都内で行われた国立劇場3月歌舞伎公演「通し狂言 義経千本桜」の取材会に出席した。
兄・源頼朝に疎まれた義経が都を落ちのびた後の物語。壇ノ浦で滅んだはずの平家の武将が実は生き延びていたという設定で物語が展開していく。
菊之助は「人間が行ったことは必ずその人に返ってくるという人間の業の話で、非常に普遍的なテーマを扱っている作品」と紹介。佐藤忠信(源九郎狐)、平知盛、いがみの権太の3役に挑む菊之助は「3役を演じるのは夢でした。どれも体当たりでぶつかっていかないと、その役にはなれない、それぞれに難しさがあります。自分の持てるものをすべてぶつけていかないと…」と語った。
長男の尾上丑之助(6)が、安徳帝を演じる。
物語の世界観を理解してもらうために絵本の読み聞かせをしているそうで、菊之助は「『義経千本桜』のネコの絵本があって、それを読んで『今度、君がやる役はこれ。お父さんはこの3つをやるんだよ』って教えて、それからけいこをやっています」と明かして笑わせた。
菊之助は昨年12月、新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」で左ひじの一部を亀裂骨折した。
負傷箇所も順調に回復しているようで、「今月に入りまして休養が取れておりますので、リハビリも含めて順調にきております」と話した。
国立劇場「義経千本桜」は3月3日から上演される。