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バーバリーの象徴・トレンチコート 160年以上愛されるデザインは軍人の要望で誕生

2023年2月8日 21:45
バーバリーの象徴・トレンチコート 160年以上愛されるデザインは軍人の要望で誕生
バーバリーのトレンチコート
イギリスのファッションブランド・バーバリーの象徴的なアイテム『トレンチコート』。独自の製法で精密に織られた生地と、裏地にあしらわれるチェック柄が特徴で、160年以上もの歴史があります。今でも愛されるデザインは、軍人からの要望でできあがりました。

■ビンテージのトレンチコートを数量限定販売

トレンチコートの歴史をたどるポップアップ『バーバリートレンチ ポップアップ』(2月8~20日 伊勢丹新宿店本館)。1960~90年代につくられたトレンチコート78着をよみがえらせ、数量限定で販売しています。

肩のストラップや袖・腰のベルトなどのディテールに、ダブルでスリムなシルエットの特徴があるバーバリーのトレンチコート。しかし、店頭に並んだコートを見ると、中には、ベルトなどがないシンプルなデザインのコートが。これはトレンチコートの前身である『カーコート』と呼ばれるもので、店舗マネジャーを務める久保さんは「一番昔の古いデザインのものは、ディテールはそこまでなかった」といいます。

■今も引き継がれる、“陸軍”の要望を取り入れたデザイン

第一次世界大戦中に考案されたというバーバリーのコート。始まりは、陸軍が軍服の上に着るものだったといいます。初期の特徴を聞くと「中に軍服を厚着するために腕部分は広く、大きめのシルエット。戦う時に腕が動かしやすいことを求められたから肩には切り替えがない」と解説。

それがどうやって今のデザインに変化したのかを聞くと「軍人が階級を示すバッジをつけたいと求めたからエポレット(肩のストラップ)を作り、銃を撃つ衝撃から保護するためにガンフラップ(胸元の二重生地)を加えました。他にも、海軍が海上の風を防ぐ目的で使用していた(前身ごろが重なる)“ダブル”を、陸でも寒さから守るために採用するなどしてディテールが足されていきました」と説明。軍人たちの意見や国から求められた要望を取り入れてアップデートした結果が、今のトレンチコートのデザインだと説明しました。

そうしてアップデートされたコートを多くの軍人が着て臨んだのが塹壕戦。『トレンチ』とは『塹壕』という意味で、塹壕戦で着ていたため『トレンチコート』という名称が定着していったといいます。

■進化もあれば退化も 変わらないのは「時代に合わせる」

一方、初期から現代までで“退化”した部分もあるといいます。それは、中に着ている軍服などから物が取り出せるように作られた『ストールポケット』。「昔は寒くて基本上着を脱がないので、中に着ているものから物が取れるように、突き抜けたものが必要でした。今はずっと上着を着ている場はほぼないですからいらないですよね。退化した1つです」と話します。

時代によってシルエットやデザインは変化するものの、根本となる“思い”は変わってないそうで「本当に一番重要なのは、時代に合わせるということ。今はトレンチの中には厚着することが比較的なく、スリムに見せたいのでシルエットは細めに。また環境に配慮するために、今年からはオーガニックコットンを採用など、求められているものは大事にしています」と語りました。

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