松本幸四郎、歌舞伎座で初演出 「キャラクターを引き出せるように」 中村隼人の主演舞台
取材会で幸四郎さんは「今回演出をさせていただくのは初めてでございまして、こういう時代劇があったらいいなと思っていた作品でありましたし、歌舞伎化するにあたって演出をさせていただきますけども、“隼人くんここにあり”というものを作るれるように勤めたいと思っています。彼のすっきりとした二枚目であり、またはんなりとした動じないのか、なにも分からないのかどちらか分かりませんが、よい意味でのマイペースという彼のキャラクターを引き出せるように作っていきたいと思っています」と、意気込みを明かしました。
また、刃物を見ると気絶するほど頼りない八巻卯之吉と幸千代の二役を勤める隼人さんは「原作をもとにしまして二役早替わりをどういうふうにしていこうか。普通だと早替わりは、性別が変わらないと面白くない、顔の色(化粧)が変わらないと面白くないといわれている中で、今回は時間の都合上、顔の色はそのままになってしまうので、とにかくスピードが大事だと。そこのあたりは幸四郎さんにいろいろ伺って、お兄さんの演出の意図にそえるようにやっていきたいです」と挨拶しました。
続けて「今年、浅草歌舞伎を卒業しまして、その1年目で歌舞伎座に出させていただいて。ほとんどの浅草メンバーが集結して、兄さんたち、そして同世代たちとこういった作品を作れること本当にうれしく思っています」と語りました。
初の演出について幸四郎さんは「原作を歌舞伎化するわけですけど、(以前)テレビで隼人くんがやられていた(役)そのまま見ていただけるような世界をつくりあげたい。こういうやわらかい役というか、ちょっとおちゃめであったり、愛きょうがあったり、一方で殿様であったり、いろんな部分が出せる二役であると思いますし、“こういうものを持ってるんだ彼は”ということをみなさんに驚いていただきたいと思っています」と明かしました。
さらに、見所について「総踊り、これはあります。二役ですので早替わり、似た人に早替わりするっていうのはおそらく歌舞伎史上ないと思うんですね。別人になるから驚くわけで、顔がそのままのそっくりそのままの二役を演じる、早く見えるようにどう作っていくか、予定では11回の早替わりを予定」と、作品への思いを語りました。