松本幸四郎「新たに誕生する歌舞伎をつくる」 ミステリー小説家・京極夏彦が書き下ろし
取材会に登壇した幸四郎さんは「八月納涼歌舞伎、第三部で『狐花』京極さんの作品を歌舞伎でできるというのも、夢の夢の夢ぐらいで思ってたことで、それがやっと実現するときがきたということで、本当に興奮しています」とコメント。
今回タッグを組んだ京極さんの生み出す作品の魅力について、松本さんは「独特な世界観っていうところと、優しいというか妖しいというか艶っぽい音楽が聴こえてくるような感じがしますし。色彩というのも、いわゆる歌舞伎のけんらん豪華っていうこととは違う美しさをという色彩を感じていたので」と明かしました。
また、舞台化のために書き下ろされた『狐花』については、「もちろんセリフでドラマが進んでいくお芝居ですけれども、僕は初めて読んだときにセリフ劇に音楽が乗っかっているような、いわゆる“京極歌舞伎”っていう、この世に存在しなかった新たに誕生する歌舞伎をつくるという姿勢で取り組もうと思っています」と語りました。
最後に、8月からの公演に対して「真っ正面から京極さん作品を歌舞伎の舞台に、歌舞伎の演目にするんだっていうふうに思っています。歌舞伎にもたくさん引き出しがありますけれども、それをはめ込んでいくということではなくて、やはり京極さんの『狐花』という作品を歌舞伎として見ていただくという。それに挑戦したいなと思ってます」と意気込みました。