野村宏伸 『教師びんびん物語』で共演の田原俊彦に憧れてポルシェ購入…歴代の愛車を振り返る
野村さんは1984年、19歳の時に映画『メイン・テーマ』でデビュー。1987年からはドラマ『教師びんびん物語』など『びんびんシリーズ』で田原俊彦さんの相棒役として大ブレイクするなど、ドラマや映画、舞台などで幅広く活躍しています。
父親が化学薬品の工場を経営しており、200坪の豪邸に住んでいたという野村さん。幼少期は『トヨペット コロナ』や『ダットサン ブルーバード』など、両親の影響で多くの車に触れてきたそうで「街でたまにポルシェなんかが走ってると追いかけましたね」と幼い頃から車に興味があったことを明かしました。
■父親の会社が倒産…苦しい中で見た父の愛情
運転免許は18歳の時、高校に通いながら取得。初めての愛車は“訳あり”のようで「ぼくの先輩が運転免許取り消しになっちゃって、“野村乗る?”って言われたので、“じゃあ借してください”って言ってしばらく(乗ってた)」と説明。当時先輩から借りていたという車が『ホンダ〈ホンダライフ〉ステップバン』です。『ホンダライフ』をベースに開発され、1972年に発売されたこの車。荷物の積みやすさから、生産終了後もサーファーを中心に人気となった1台です。
幼少期から不自由のない生活を送っていた野村さんですが、先輩のお下がりに乗ることになった当時について「高校1年の時、実家の会社が負債を抱え倒産しました」と明かしつつ、「おやじが免許を取らせてくれたんですよ。“免許取りたいんだろ?”って、なけなしのお金を(出してくれた)。今思うとすごく感謝している」と家計が苦しい中でも運転免許を取らせてくれた父親に感謝していました。
約40年ぶりに乗車してみると「この時がよかったな~、(免許を)取ったときのドキドキ感。一番楽しかった」と、しみじみしていました。
■芸能界デビューはお金欲しさ!? 『びんびん物語』は“やりたくなかった”
19歳の時に映画『メイン・テーマ』でデビューすると、第8回日本アカデミー賞の新人俳優賞を獲得するなど、デビュー直後から活躍してきた野村さん。そもそも芸能界に入ったきっかけを聞かれると「たまたま妹が映画で“薬師丸ひろ子さんの相手役募集”っていうのを見つけて。優勝賞金が500万円っていうのを知って“お兄ちゃんどう?”って勧められて。受かるはずないけど、お金ほしさに応募したら受かっちゃった」と振り返り「それが(薬師丸)ひろ子さんの相手役の『メイン・テーマ』っていう映画なんですよ」と明かしました。
順風満帆に見える野村さんの役者人生ですが、挫折もあったといいます。1986年に初主演した映画『キャバレー』は、角川春樹監督の『角川映画10周年記念作品』ということで、鹿賀丈史さんや三原じゅん子さん、原田知世さん、宇崎竜童さんなど豪華キャスト陣とデビュー1年目で共演を果たしました。その当時の撮影について「全然芝居できなくて。僕ができないために監督から“今日ダメ、また明日”って言われて。撮影スタッフと役者さん一人ひとりに直接謝りに行った」と苦い思い出も明かしました。
その後、22歳の時『ラジオびんびん物語』でドラマに初出演。1988年『教師びんびん物語』、1989年『教師びんびん物語Ⅱ』と『びんびんシリーズ』で田原俊彦さんの相棒を演じ、一躍お茶の間の人気者に。しかし当時は、その人気とは裏腹に実は乗り気ではなかったと言います。野村さんはその当時について「本当はやりたくなかったんです。なんかひ弱な役で、弱々しくて。本当は俺こんなんじゃないのにって心の中で思いながら。でもそれを開き直ったのが『教師びんびん物語』くらいからですね」と振り返りました。
■芸能界デビュー後は『ポルシェ』や『ベンツ』に “夢がかなった”
家計が苦しい状況から芸能界デビューすると生活は一変。『メイン・テーマ』のオーディションで獲得した500万円で『ホンダ プレリュード』を購入。23歳の時には自身初の外国車『メルセデス・ベンツ 190E』を購入し、『教師びんびん物語』の撮影はこの車で向かっていたといいます。
そして25歳で『ポルシェ 911 カレラ2』を購入。1990年に日本で発売されたこの車。購入の決め手は田原俊彦さんの影響だったそうで「トシちゃん(田原俊彦さん)は930型(前モデル)に乗っていて。僕も本当はあれが欲しかったんですけど、型がちょうど変わった時期で売ってなくて、こっちにしました」と言いつつも、初めて乗った時は「“夢がかなった”と思いました」と、ガッツポーズをしてしまう程うれしかったという当時を振り返りました。
■年齢を重ねるごとに車選びにも変化 “ステーションワゴン”へ
しかし、年を重ねるごとに車選びにも落ち着きが出始めたそうで、2000年、結婚もしていた35歳当時に迎えたのが『メルセデス・ベンツ 280TE』です。1977年に発売し、メルセデス・ベンツ初のステーションワゴンとして登場したこの車。野村さんは「レトロ感がなんとも言えないですよね、当時乗っていたのはベージュっぽいカラーでした」と話し「大人のカジュアルを感じるんですよ、本当オシャレだね」と懐かしみました。
■車とは“リラックスできる贅沢な空間”
幼い頃から数々の車に触れ、愛を注いできた野村さん。当時乗っていた『ポルシェ 911 カレラ2』などの愛車たちについて「今乗った方が似合うんですよ。全部大人びていたなと思って。でもあれを若いときに乗れたことが今につながってるのかなと思います。無理してでもやってきたことが今につながってるので、あれはあれで良かったのかな」と回顧しながら愛車を振り返りました。
最後に、“野村さんにとって車とは?”という質問に“リラックスできる贅沢(ぜいたく)な空間”と答えていました。
(12月3日放送のBS日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴』を再構成)