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さくらももこさんの展覧会 息子との日常を描いた絵日記、愛用した仕事道具も 約300点を展示

2023年4月28日 6:15
さくらももこさんの展覧会 息子との日常を描いた絵日記、愛用した仕事道具も 約300点を展示
『さくらももこ展』(C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
『ちびまる子ちゃん』や『コジコジ』など数々のキャラクターを世に送り出し、2018年にこの世を去ったさくらももこさん。まんが家としてだけでなく、エッセイスト、作詞家、脚本家などの顔を持ち活躍しました。そんなさくらさんの仕事に迫った『さくらももこ展』(~5月28日)が、4月22日から神奈川県横浜市・そごう美術館で開催されています。

“描く”ことと“書く”ことを楽しみながら、季節のうつろいや小さな日常をこよなく愛したさくらさんの魅力が詰まった展覧会を取材しました。(※一般の人の撮影は一部を除いて不可)

さくらさんは、1965年5月8日静岡県生まれ。1984年に『教えてやるんだありがたく思え!』でデビュー。1986年には、『りぼん』で『ちびまる子ちゃん』の連載を開始し、1989年同作品で第13回講談社漫画賞に輝きました。さらに、1990年にはさくらさんが作詞をした『おどるポンポコリン』が、日本レコード大賞ポップス・ロック部門を受賞。1991年には初エッセー『もものかんづめ』がベストセラーとなりました。

■国民的まんが『ちびまる子ちゃん』原画やイラスト盛りだくさん

原画など約300点が展示された『さくらももこ展』は、さくらさんが、まんが家デビューに至るまでの道のりをたどる、序章『さくらももこができるまで』のエリアからスタート。少女時代の私物や当時の情景を描いたイラストとともに振り返ります。

その奥へ進むと広がるのが、第1章『ももことちびまる子ちゃん』のエリアです。国民的まんがとなった『ちびまる子ちゃん』の第1話の原画や、コミックスの表紙、そのほかイラストなど、多くの作品が展示されています。

■“現代の清少納言”と言われたことがきっかけに

まんがだけでなく自身が経験した何気ない日常をおもしろおかしくつづったエッセーも多く発表した、さくらさん。実は、高校3年生の時に書いた作文が「清少納言が現代に来て書いたようだ」と言われたことをきっかけにエッセーまんがを描くことを思いたったといいます。

第2章『ももこのエッセイ』では、拡大コピーされた直筆原稿に囲まれながら、さくらさんがつづったユニークな文章を読むことができます。

そごう美術館の学芸員・中村さんによると、さくらさんは文章を書く上で、特にわかりやすいということと、リズムがよいこと、そして面白いことを大事にしていたそうです。また頭の中で構成を考え、そのまま一気に書き上げるスタイルだったということで、ほとんど修正箇所や描き直しがないというのがさくらさんの特徴だといいます。

■出産を経て…絵日記や子どもとの合作絵本などを創作

さくらさんは、1994年に男の子を出産しました。第3章『ももこのまいにち』のエリアでは、子どもと過ごす時間を大切にしたいという思いから創作し始めた、絵日記や子どもとの合作絵本など、小さな日常がつづられている貴重な資料を見ることができます。さらに、バッジづくりにハマっていたというさくらさんが、制作したかわいらしいバッチも飾られています。

第4章『ももこのナンセンス・ワールド』のエリアでは、さくらさんが「ナンセンス=(ばかげたこと)」に取り組んだ異色の作品『神のちから』と『神のちからっ子新聞』も壁にずらり。不思議な世界感に引き込まれるエリアとなっています。

■さくらさんも心をおどらせた『コジコジ』 セルフパロディした『ゴシゴシ』も登場

第5章は、ふとした落書きから生まれた正体不明の宇宙の子・コジコジのエリアです。漫画『COJI-COJI』に登場するいつも楽しく、自由気ままに生きているコジコジの姿を、多くの原画やイラストで見ることができます。さらに、さくらさんがコジコジをセルフパロディした『ゴシゴシ』の原画も登場します。

最後は、終章『アトリエより』と題して、さくらさんが愛用していた仕事道具やアイテムが展示。そして、まる子とコジコジの冒険を描いた『絵本まるコジ』の名場面とイラストが展覧会の最後を飾ります。

『さくらももこ展』は、今後静岡、兵庫、長崎と巡回していく予定です。

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