稲垣潤一70歳「感銘を受けた」 『スズキ スイフトスポーツ』など、国産MT車の進化を語る
稲垣さんは、1982年に楽曲『雨のリグレット』でデビュー。その後、『ドラマティック・レイン』や、『クリスマスキャロルの頃には』など、数多くのヒット曲をリリース。また、ドラマーとしても活躍の場を広げています。
■昔のFFとは次元が違う、『スズキ スイフトスポーツ』
最初に登場した国産MT車は、『スズキ スイフトスポーツ』。2017年に発売された4代目で、コンパクトカー・スイフトをベースに造られたスポーツモデル。1.4リッターターボエンジン搭載の熟成された1台で、リーズナブルな価格が魅力となっています。
スイフトスポーツは、骨格や主要部品を全面刷新し、高い剛性と軽量化を実現したHEARTECT(ハーテクト)と呼ばれる新プラットホームによって、車重量は970キログラムに軽量。最高出力は、140PS/5500rpmで高い出力ではないにもかかわらず、スポーティーな走りを見せます。
稲垣さんは「街中でも見かけるし、カスタマイズされている車も結構あって、居住性も良さそう」と、印象を明かしました。そして約40年ぶりに、国産マニュアル車のハンドルを握った稲垣さんは、「やっぱり、(車の)軽さが利いているんでしょうね。コストパフォーマンスが本当に最高ですね」と、軽快さをたたえました。
国内Aライセンス(国内競技運転者許可証A)を所持する稲垣さんは、FF車(前輪駆動)の走りについて、「昔のFFと比べると、クセがだいぶ減っていますね。自分がレースをしていた頃は、タックイン(コーナリング中にアクセルをオフにすると、旋回方向の内側に自動車が向く現象)が常識だった。昔のFFとは次元が違う。走りやすいですね」と、車の走りを分析しました。
■MT(マニュアル)車の魅力は?
54歳までに乗り継いだ12台の愛車は、すべてMT(マニュアル)車だったという稲垣さん。魅力について、「ギアで走っている感じが、心地いいんですよね。両手両足を使うのが、(楽器の)ドラムに似ている」と、愛車と好きな楽器を重ねました。
現在、『BMW M2』のAT(オートマチック)車を愛車に持つ稲垣さんは、「やっぱり、マニュアルに乗りたいんですよね」と、後悔の念を明かしました。
■サーキットを走りたい、『ホンダ シビック タイプR』
続いて登場したのは、『ホンダ シビック タイプR』。2022年に発売された6代目モデル。初代モデルから一貫して、ラインアップはマニュアル車のみ。2リッターターボエンジンを搭載し、最高出力は330PS/6500rpmとなっています。稲垣さんは、「いま1番乗りたかった車です。発売された頃から、乗りたいなと思っていました」と明かしました。
ホンダが世界に誇る高性能ハッチバック車は、世界的に権威のあるデザイン賞の一つ『レッド・ドット・デザイン賞2023』のプロダクトデザイン部門を受賞。このモデルの荷室容量は、床上410リットル。ドラムセットを積めるほどの容量で、ゲートが大きく開くように設計からやり直したそうです。
また、稲垣さんが注目したのは『Honda LogR』というアプリ。サーキット走行に必要な情報や、データを車載モニターに表示・分析することができます。2023年、ドイツのサーキット場・ニュルブルクリンク北コースで、FFモデル最速ラップタイム7分44秒881を記録しました。
試乗した稲垣さんは、「(足回りが)硬いですね。公道ではなく、これでサーキット走りたいですね」と明かし、エンジンブレーキで減速すると「気持ちいい。シフトフィールも気持ちいい。さすがホンダだから、エンジンが素晴らしい」と、乗り心地を明かしました。
■街乗りが楽しい『トヨタ GR86』
ボディー剛性や、空力性能、動力性能など、モータースポーツのフィードバックから生まれたという『GR86』。共同開発した『スバル BRZ(2代目)』とは兄弟車で、水平対向4気筒エンジンを搭載するなど、同じプラットホームで共通部品が多いにもかかわらず、性格の違う走りを見せるといいます。
搭乗した稲垣さんは、「『ホンダ シビック タイプR』の方が、切れ味が鋭かった」と、コーナリングで体にかかる重力の違いを明かし、「これは、街乗りが楽しい車。86ってネーミングにも、それ(昔スポーツカーに乗っていたミドル世代向け)を感じます」と、明かしました。
3台の国産マニュアル車に試乗した稲垣さん。気にいった車を聞くと、「スイフトスポーツ。コスパだけではなく居住性もあるし、走っていて面白いのは感銘を受けましたね。ずいぶん国産車に乗っていなかったので、進歩を感じました」と、国産マニュアル車の良さを評価しました。
(2月17日放送のBS日テレ『おぎやはぎの愛車遍歴』を再構成)