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生駒里奈、いじめ経験した過去・デビュー当時の思い 「最終手段じゃないですか、逃げるって」

2024年3月28日 22:15
生駒里奈、いじめ経験した過去・デビュー当時の思い 「最終手段じゃないですか、逃げるって」
インタビューに応じた生駒里奈さん
6月から上演されるリーディングドラマ『西の魔女が死んだ』に出演する俳優の生駒里奈さん(28)にインタビュー。“自分の居場所がない”と感じながら生きる少女を演じる思いや、いじめを受けた学生時代について。そして、地元から離れてアイドルグループ・乃木坂46としてデビューした当時の思いを伺いました。

リーディングドラマ『西の魔女が死んだ』は、累計発行部数260万部(出版社発表)を超える同名小説が原作。生駒さん演じる、学校へ行けなくなってしまった少女・まいが、森で暮らす“西の魔女”と呼ばれるおばあちゃんと生活することをきっかけに、次第に成長していく姿が描かれます。6月25~27日に東京・草月ホール、29日には生駒さんの地元である秋田・由利本荘市文化交流館カダーレで上演されます。

■役への思い「悩みに寄り添える大人になったかな」

――台本を読んでどのように感じましたか?

学校やクラスになじめないことや、悩みを抱えているのは学生時代の私とまいの共通する部分です。読み取り側が色んな感情、感想をもってほしいし、同じような経験をしている子がなにか答えやきっかけをつかんで劇場を後にしてもらえるように努めたいと思っています。

――“まい”にはどんな思いを抱きましたか?

どっちかっていうと“まい”っていう存在に、アドバイスの仕方は下手くそだと思うけど、なにか答えを言ってあげられたり、アドバイスができる立場になったかな。まいの悩みに寄り添える大人になったかなとは思います。

■学生時代にいじめを経験 「人間としゃべったってしょうもない」 

学生時代のいじめを経て、まいの悩みに寄り添える大人になったと語る生駒さん。小学校に通っていた当時を振り返って、感じることを明かしてくれました。

――いじめを経験した当時を振り返るといかがですか?

何をされたかはめちゃくちゃ覚えているし、同級生の顔は覚えてるんですよ、名前は覚えてないです。悲しみ、つらさを受けて本当にここ(心)がずっと痛かった記憶があって。大人になってからもつらいことがあるとだんだん痛くなって、でも薬じゃ治らないし、また思い出しちゃうと痛くなるし。よく心臓を“ハート”って言うけど、その通りなんだなっていうのを小学生の時に経験していました。

――当時いじめにはどう対処していましたか?

家が安全だったので家と、図書室。2次元に逃げました。人間同士の付き合いが嫌になったので、小学生の時によく読んでたのは『ムーミン谷の仲間たちシリーズ』。人間じゃない登場人物が出てくる小説をたくさん読んでいました。

――人間を避けるということでしょうか?

そうですね、人間としゃべったってしょうもないな…って。今は嫌いな人がいたら付き合わなければいいし、大人になったからできることだけど。小学生なんて自転車しかないし、遠くへ行こうと思っても。逃げ場といったら図書館くらいしかなかったです。

■乃木坂46加入は“逃げるための選択” 「マイナスに聞こえるかもしれないけど」

生駒さんは、乃木坂46の1期生オーディションに合格し、16歳でデビュー。グループ活動のため地元・秋田県から上京しました。そんなグループ加入は学校から逃げるための選択だったといいます。

――デビュー当時はどんな思いだったのでしょうか?

乃木坂46になるために毎週レッスンに通ったり、それだけでハッピーだったので。学校行かなくていいっていうのがご褒美でした。『逃げる』っていうのは言葉がそういう並びだからマイナスに聞こえるかもしれないけど、最終手段じゃないですか、逃げるって。“なんで立ち向かわなきゃいけないんだろう”って。“立ち向かうってなに?”って思います。“つらくて逃げたい”、“学校へ行きたくない”って言った本人がどれだけ真剣に言ってるかって大人なら分からなきゃいけないものだと思います。

――新しい世界へ飛び込んだときの自分を振り返るとどのように感じますか?

上京したのは“よくぞ上京しました”って思うけど、私はアイドルの『選抜』『アンダー制』を知らないで入ってるので入れたんです。知っていたらやるわけないじゃないですか、大変だし無理だもん。本当に知らなかったからできていたことで、ストレスを認識した途端に体に出てくるんです、色々な症状として。今この年齢になったからストレスというのを分析できるけど、今思えばあれってプレッシャーっていうんだって気づきました。

■新生活を送る人へエール「自分をよしよしして」

――仕事に対しての思いや、心がけていることはありますか?

チケット代を払って、見ただけ、記憶だけでお金をもらうんです私たちの仕事は。一瞬の舞台やイベントって思い出しかもらえないのに、みなさんはお金を払ってくれる。その人たちに対してお仕事の時だけは絶対に責任を持ってやらなきゃいけないし、“絶対みんなを笑顔にするんだ”とか、そういうところの責任は全てに対して思って仕事してます。

――最後に、4月から新生活を送る人へ向けてメッセージをお願いします。

今まで生きてきた環境と違うだけで相当疲れちゃうし、今までやったことない仕事をやることはすごく大変。それを日々乗り越えてるだけで偉いと思って、新しいことをしていることがすごいんだって思ってほしいです。褒めてくれる人なんてまれで、そんな人に出会える人生を送ってほしいなとは願っているんですけど。自分を褒められるのは自分しかいないので、自分をよしよししながら好きなものを愛でて食べて楽しく生活してほしいなって思っています。

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