なるほど天気 気象用語の「空振り?見逃し?」野球じゃなくて…
市川栞キャスター:
「小野さん、暑い日が続き、梅雨に入る気配がありません」
小野和久 気象予報士:
「平年ですと、今頃は、東北の南部まで梅雨入りしている頃です。遅れています」
「あすの予想天気図では梅雨前線は、まだ本州から離れています」
「気象台の週間予報を見ていきましょう」
「あすは晴れ。土曜日は雲が多めですが晴れます。日曜日は、雨の降る時間があるでしょう。」
市川:
「週明け月曜・火曜も晴れマークですね」
小野:
「ただ、雨の時期は、確実に近づいています」
市川:
「側溝の掃除など、いまのうちに済ませたいですね」
小野:
「いまの時期の最高気温は25度、26度くらいが平年並みですので、高い日が多いでしょう」
「この先も、この傾向は続く見込みです」
小野:
「さて、こちら、「空振り、見逃し」。市川さんは、この言葉で何を思い浮かべますか」
市川:
「空振り、見逃しと言ったら、やはり野球のことですね」
小野:
「普通は、そうですね。実は、このワードは天気予報と大きな関係があります」
「気象予報士の試験にも登場します」
市川:
「え!試験にも出る言葉なんですか」
小野:
「はい、天気予報の結果・成績の評価などで使われます。まず、空振りのほうを見ていきましょう」
「空振りは、言葉の通り、「予測したのにその現象がなかった」、つまり、予測が空振りに終わったという意味です」
「一方、見逃しのほうは、「予測していないのに現象があった」つまり、現象を見逃してしまったという意味です」
市川:
「空振りも見逃しも少ないほうがいいですよね。何か、数字・成績のようなものは公開されているんですか」
小野:
「はい、大雨被害をもたらす線状降水帯での去年の全国のデータがあります。まず、空振りです」
「線状降水帯の発生を予測したが、実際には発生しなかった…」、つまり、空振りだったのはおよそ60%ありました」
小野:
「次に、見逃しです。こちらは、「予測を出していないのに発生してしまった…」という意味です。この見逃しも、去年は、およそ60%あったそうです」
市川
「去年7月、加賀地方に予測なしに線状降水帯が発生し、津幡町などで被害が出たケースはこの見逃しにあたるんですね」
小野:
「その通りです。ちなみに、予測した通りに発生したのは、およそ40%だったそうです」
市川:
「線状降水帯の予測はことしから県単位になりました。実際には発生しなくても、災害の危険度はとても高くなりますから、雨のときの気象台の情報には、敏感になっていきたいですね」
小野:
「その通りですね。最後に、今週も「北陸4県の気象台」の週間予報で、この先の天気を確認しましょう」
「土曜日は、雲が多めですが晴れるでしょう」
「日曜日は、4県とも雨の降る時間がある予報です。月曜・火曜は各地とも晴れ間が出るでしょう。気温は、この先も、平年より高い傾向が続く見込みです」
市川:
「まず、暑さに気を付けて、大雨への備えもしっかりとしたいですね。小野さんとお伝えしました」