【特集】おむつが定額で使い放題『おむつサブスク』広まる 毎日持ち込む保護者の負担を軽減…保育園側にもメリット <宮城>
仙台市の保育所などの来年度の入所申し込みが、11月から始まっている。
そんな中、保護者の負担を減らそうと、小さな子どもに欠かせないあるものを、定額制のいわゆる「サブスク」で提供するサービスが広がっている。
仙台市太白区の『アスク山田かぎとり保育園』。
0歳~5歳まで100人近くの子どもたちが通っている。
この日の夕方、子どもを迎えに来たお母さん。何も持たずに手ぶらだ。
お母さん
「迎えに来るときは、何も持ってきてないです。はい、だいぶ楽です」
幼稚園や保育園の子どもの送り迎えでは、その日使うおむつなどを保護者が持ち込むのが一般的。
こちらの保育園では、1人当たり月額2508円でおむつとおしりふきが使い放題となるおむつの「サブスク」を導入していて、利用している保護者は荷物を持たずに登園することができる。
保育園
「おむつはこのように管理していて、こちらが『おむつサブスク』を使っているお子さんのかご、こちらが個人で用意していただいているかごで、ここに『おむつサブスク』がMとLと分けて管理しています」
園内には、子どもたちそれぞれのサイズごとにおむつが保管され、足りなくなる前に順次補充される。
おむつの違いは、サイズだけ。
保育園側は、預かったおむつが誰のものなのか判別する必要が無くなり、保護者もおむつに子どもの名前を書く必要がなくなる。
お父さん
「おむつに名前を書いたり、おむつの補充したりがなくなるのは、とてもいいと思う。育児をしているとほかに食事のこととかもあるので、おむつのことを考えなくていいのはとても楽」
お母さん
「持ってくる枚数を毎日確認したり、名前を書いたりしていたので、いまはそういうの全然無いので助かっています」
おむつを巡る環境では、この数年で大きな変化が起きている。
厚生労働省では、去年1月に保護者の負担軽減と衛生面の配慮から、使用済のおむつは施設で処分するよう促す通達を出した。
保育所や保育園では、2022年には約4割(39.2%)の施設が使用済おむつを持ち帰りとしていたが、今年3月時点では持ち帰りとしているのは全体の1割以下(7.9%)にまで減っている。
おむつに関わる負担の軽減は、保護者だけの課題ではない。
国の調べによると、保育士の有効求人倍率は今年1月で3.54倍と全職種の平均1.35倍を大幅に上回り、人材確保と現場の負担軽減が大きな課題となっている。
保育士
「(おむつを)きょう何枚貸し出しましたというところで、同じ枚数返していただくという作業があって、その事務作業がゼロになっているので、負担軽減。保護者にも保育士にも軽減になっている」
おむつのサブスクを提供するBABYJOB(ベビージョブ)では、女性の働き方の変化もふまえ子育ての環境も変化していく必要があると訴えている。
BABYJOB(ベビージョブ)・上野公嗣代表取締役
「保護者は苦労してこそ子育てに実感がわくんだとか、子どもには手をかけてこそ愛着が生まれるんだという考え方がすごく強く根付いている。これは間違えた考え方ではないけど、いまの保護者の忙しさとかタスクの量を考えると、(保護者は)声をあげていいんだよという文化にしていかなければ子育てしやすい社会にならない」
保護者にとっても保育士にとっても、ゆとりのある子育ての時間を確保するために、おむつのサブスクに注目が集まっている。