藤井八冠敗れる「叡王戦」最終局は大接戦 伊藤七段が新叡王に 山梨・甲府市
将棋の八大タイトルの1つ「叡王戦」の最終局が20日甲府市で行われ、挑戦者の伊藤匠七段が藤井聡太八冠に勝利し、初タイトルを獲得しました。
「叡王戦」五番勝負はここまで2勝2敗のタイと、 決着は最終局に持ち込まれました。
19日の前夜祭で2人は…
藤井聡太八冠
「(皆さんに)楽しんでもらえるような将棋を指したいと思っている。大きな対局になるが全力を尽くして熱戦にしたい」
伊藤匠七段
「緊張感もあるがしっかりと集中して臨んで、よい勝負をお見せできるように頑張りたいと思う」
一夜明け、20日午前9時。
お互いに深々と一礼すると、叡王戦最終局が始まりました。
先手の藤井八冠はいつものようにお茶を一口飲むと、 注目の初手は2六歩。
飛車先の歩を突きました。
一方、会場となった常磐ホテルには午後から大盤解説の会場が設けられ、 各地から大勢の将棋ファンが駆けつけました。
駆けつけた将棋ファンは
「もちろん熱戦で一分将棋というのも楽しみではあるが、できれば藤井聡太さんを応援しているので防衛してもらえるとうれしい」「久しぶりに最終局が甲府で行われるということで楽しみに来た。2人とも頑張っていい熱戦を期待している」
ところで、将棋のタイトル戦といえば、 毎回注目されるのが、“勝負飯”です。
2人が昼食に注文したのは…
藤井八冠が「天ぷらそば御膳」とドリンクはウーロン茶。
一方、伊藤七段は「特製カレーライス」とドリンクはアイスティーでした。
そんな2人の勝負の行方ですが、息詰まる熱戦は午後6時半ごろに決着。
藤井八冠が156手で投了し、伊藤七段が初タイトルを奪取、新叡王の誕生となりました。
伊藤匠七段
「自分としてはうまく指せた部分もあったのかなと思っています」
藤井聡太八冠
「強さを感じるところも本当に多くあったので、それを糧にしてまた頑張っていきたいと思います」
藤井八冠は七冠に後退し、タイトル戦の連続獲得記録は「22」でストップとなりました。