処理水のモニタリング計画「適切に対応」と評価 IAEAが報告書を公表
福島第一原発でたまり続ける処理水を海に放出することについて、安全性を検証していたIAEA(=国際原子力機関)が処理水のモニタリング計画などを評価した報告書を公表しました。
今回の報告書は、処理水を放出する際のプロセスなどを調査したものです。この報告書の中でIAEAは、処理水放出による環境への影響を調べる東京電力のモニタリング計画は「適切に対応されている」と評価しました。
一方で、東京電力が「処理水を放出した最初の1年間の放射線量が、今後30年間の放出期間のうち最も高くなる」と仮定したことについては、その理由などを明確に記載すべきだと指摘しています。
こうしたことを踏まえた上で、放出計画などは全体的に評価できるものだとして、東京電力と経済産業省への追加の調査は必要ないことが記されています。
処理水をめぐっては、政府と東京電力がこの春から夏にかけて放出する方針を示しています。
IAEAは近く、放出施設の審査プロセスの妥当性などを評価した報告書や処理水の成分を分析した報告書を公表したのち、放出が開始される前に最終報告書としてとりまとめ、公表するとしています。