西武HD約30の施設 GICに売却で調整
西武ホールディングスが、プリンスホテルやスキー場、ゴルフ場など、あわせて約30の施設を、シンガポールの政府系ファンドに売却する方向で調整していることがわかりました。売却後も運営は続ける方針です。
西武ホールディングスは、観光や鉄道事業などがコロナ禍で大きく打撃を受ける中、財務体質強化などのため、ホテルやレジャー施設などの資産を売却し、運営に特化する経営方針を掲げています。
関係者によりますと、その一環として、ザ・プリンスパークタワー東京を含むプリンスホテルやスキー場、ゴルフ施設などおよそ30を、シンガポールの政府系ファンド、GICに売却する方向で調整に入ったということです。売却額は1500億円程度になると、みられています。
売却後も運営は続け、マーケティング力の強化やスピーディーな事業展開でブランド力を向上させることに集中する方針です。
また、現在プリンスホテルが所有しているホテルは全て、4月にいったん別会社の「西武リアルティソリューションズ(現・西武プロパティーズ)」に移管し、所有と運営を分離する予定です。
後藤社長は1月、日本テレビの取材に対し、「2020年はパンデミックの状況の中で、鉄道業界やホテルレジャー業界は需要が一瞬にして蒸発するような状況を味わった。2021年はだいぶ改善はしたものの利益的には水面下にいる状態だ」と述べ、保有資産を圧縮して機動的な経営体制がとれるようプリンスホテルなどについて、運営に特化していく計画を実行に移していくと説明していました。
GICへの売却について、西武ホールディングスは「現時点で決定した事実はない」としています。