×

卵再び高騰? 4か月ぶりの高値に 酷暑で大きな卵産めず…

2024年8月27日 21:28
卵再び高騰? 4か月ぶりの高値に 酷暑で大きな卵産めず…

卵の価格が上昇し、4か月ぶりの高値となっています。飲食店では仕入れ値が上がり、スーパーでも卵の価格に影響が出始めていました。

   ◇

東京の神田神保町にある、創業115年の老舗洋食店「ビヤホール ランチョン」。人気商品は、たまごを3個ほど使った昔ながらのオムライス(1100円)です。

お客さん
「あつあつでおいしい」

しかし、店自慢のたまご料理に、再び値上げの波が…

ビヤホール ランチョン 赤瀬道也料理長
「伝票など見て、ちょっと(仕入れ値)上がっている。たまご使う料理が多いので、正直きついです」

この店で使うたまごは、1日なんと約160個。去年、高騰したたまごの仕入れ値。その後、いったんは落ち着いていたといいますが、27日に突然…

ビヤホール ランチョン 赤瀬道也料理長
「土曜に仕入れた時よりも、1箱300円上がってた。落ち着いてくれるのを待つしかないですね」

ほかの材料費なども上がる中、再びたまごの仕入れ値が上昇し、頭を抱えていました。

埼玉県の“激安スーパー”でも仕入れに苦戦。27日はたまごの特売日で、店頭価格を見てみると、1パック10個入りが税抜きで89円に。この日は安く販売できていましたが…

スーパーマルサン越谷花田店 八木栄樹店長
「9月から値上げの話がきてるので、この価格は維持できないかもしれない」

実は今、市場ではL玉やM玉といわれる大きなたまごが出回りにくく、少ない状態に。特売価格を維持できない可能性があるというのです。

Mサイズ1キロあたりの平均卸売価格は、去年4月に過去最高値の350円に。いわゆる“エッグショック”と呼ばれ、飲食店から卵料理が消えました。

その後、価格は落ち着き始め今年1月は180円に。ただ、再び徐々に値上がりし始め、今年4月には219円。27日朝の時点で8月は214円(27日までの平均値)となっていて、4か月ぶりの高値となっているのです。

昔のような“物価の優等生”には戻っていない中、みなさんはどう乗り切っているのでしょうか。

40代
「前は必ず(食卓にたまご)出てたけど、今はあるときしか出さない」

毎日食卓に出していた、たまごの頻度を減らし、週の半分に。

40代
「きのうとか、牛丼でいつもたまご落とすけど、しらたきでかさ増しして、(子どもに)『きょうはたまごないよ』って。ちょっと残念がっていました」

1日に食べるたまごの個数を減らして節約するという女性も。

60代
「たまご焼きとかでも玉ねぎとか他の野菜をいっぱい入れて、たまごを少なくする」

他の野菜でかさ増ししたところ、娘から、こんな一言が…

60代
「(娘から)『お母さんこれたまご(焼き)じゃないんじゃない?』って。たまごが少ないから『たまご料理これ?』って」

   ◇

なぜ、再び高値となっているのでしょうか? 千葉県館山市の、関東などに1日たまご約2トンを出荷する養鶏場を訪ねました。

宮本養鶏 宮本大史代表取締役
「(ニワトリが)夏バテ気味になって餌を食べなくなってしまう。年がら年中、羽毛の布団をかぶってる状態なので、鳥類は暑さに弱い」

もともと円安などの影響でえさ代が高騰し、出荷価格が上昇。そこに、追い打ちをかけるように今年の酷暑が…

ニワトリが“夏バテ”し、大きいたまごをあまり産まなくなってしまい、例年に比べ1割ほど値段が上がっているというのです。(Lサイズ)

さらに気にしていたのは、日本列島に接近中の台風10号です。

宮本養鶏 宮本大史代表取締役
「(台風で)停電すなわち鳥が死んじゃう。直結してくるので、それが一番怖い」

台風の影響で輸送が滞り、餌が届きづらい状況になった場合は、値段が上昇する可能性もあり、懸念していました。