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東芝“内部通報は決算の数字に影響しない”

2017年3月8日 0:52
東芝“内部通報は決算の数字に影響しない”

 東芝は、決算発表を延期する理由となった原発子会社の会計処理をめぐる内部通報が決算の数字には影響しないとみていることが関係者の取材で分かった。

 東芝は、アメリカの原発子会社で経営者が会計処理に圧力をかけたという内部通報を受けて、事実関係を調査するため決算発表を1か月延期している。

 内部通報では、東芝の志賀重範前会長と原発子会社のウェスチングハウスのロデリック会長が名指しされていたが、いまのところ、志賀前会長が圧力をかけた事実はなかったとみている。

 ロデリック会長については、子会社の巨額損失の報告を受ける会議の場で「多少言葉が荒かった可能性はある」として、これが圧力にあたるかどうか引き続き調査をしているという。しかし、東芝はこれまでの調査で、ロデリック会長の言動で決算の数字が変えられたということはなかったとみているという。

 一方、今後も巨額の損失が生じる可能性のあるウェスチングハウスに対して、東芝は破たん申請を促すことも検討している。ウェスチングハウスが現在アメリカで建設中の原発4基を完成させられなかった場合、東芝は親会社として電力会社に8000億円近く支払う契約をしているが、東芝経営陣の中からは、「8000億円支払ってでも、原発事業から手を引けるならその方がよい」という意見が複数あがっている。

 原発ビジネスが世界的に不透明な中、東芝はウェスチングハウスを抱えたまま再建を目指すのか、撤退を決めるのか、結論まで時間がかかりそうだ。