大戸屋“不適切動画”で異例の「一斉休業」
飲食店の店員などが悪ふざけをする動画が拡散している問題で、新たな動きがあった。先月、店員がズボンを脱ぐ動画が拡散した定食チェーン「大戸屋」が、今月12日に全国の全ての店舗で一斉に休業すると発表した。その理由とは──
◆「大戸屋」が緊急会見…“異例”の対応
4日午後2時半すぎ、定食チェーンの「大戸屋」が“不適切動画”をめぐり緊急会見を行った。
大戸屋の会見「お客様ならびに関係者のみなさま方に、多大なご迷惑と不安、ご心配をおかけしましたことを心よりおわび申し上げます」
会見の冒頭に謝罪。その後、再発防止に向けての取り組みとして、まず語られたのは──
大戸屋の会見「3月12日火曜日、大戸屋は国内全店、一斉休業とさせていただきます。食べ物を非常にぞんざいに粗末に扱うような映像が出ました。ここはやはり私ども非常に重く受け止めておりまして」
一斉休業する予定だという異例の対応だった。
◆相次ぐ“不適切動画”で企業の信頼失墜も
先月、大戸屋の3人のアルバイト定員が撮影した不適切動画が発覚した。宇宙人風のマスクをかぶった男性がズボンを脱ぎ、股間をお盆で隠している。そして、動画には、男女の笑い声も収められていた。
さらに別の動画では、厨房(ちゅうぼう)で男性が口に入れたプリンの様なものを吐き出す姿が…。
大戸屋は、こうした不適切な動画が計4本見つかったと公表。謝罪文をホームページに掲載し、不適切行為に関わった従業員を退職処分にした上で法的措置も検討しているとしていた。
相次ぐ“不適切動画”。くら寿司では、大阪の「くら寿司 守口店」のアルバイト店員が、さばいた魚をゴミ箱に放り込み、再び取り出してまな板に戻した動画も。「くらコーポレーション」が謝罪した日、株価が1日で130円下落するなどの影響も出た。
店員らの不適切動画によって企業の信頼が失墜する問題も拡大している。
◆「一斉休業」の理由は…信頼回復なるか
バラエティー豊富な定食を提供し、国内に350店舗ある大戸屋が発表した今回の一斉休業。売り上げは1億円ほど減る見込みだというが、それでも一斉休業を行う理由については──
大戸屋コーポレートブランド室 岩熊英一次長「全従業員に対しての教育・研修の再徹底と、店舗・フロア・事務所などの清掃作業を早急に実施するためのものです。今回の事案を真摯(しんし)に受け止め、グループ従業員の総力を結集し、再発防止と信頼回復に全社一丸となって取り組んでまいります」
食に対する意識を高めることで再発防止に努めるという。
利用者は──
「教育をして、そういうことがないようにしていったらいいんじゃないかと」「(取り組みは)いいことだと思う。人が食べる物ですから、衛生的なものは徹底してほしい」「それで解決する問題じゃないですけどね。何もやらないよりはいいけど、それだけでは解決はしないと思う」
様々な声が聞かれた今回の大戸屋の対応。
大戸屋コーポレートブランド室 岩熊英一次長「3月12日というのを全店で一斉休業して、これを1つのスタートとして捉えていきたいなと」
飲食店に大きな打撃を与えた“不適切動画”。今回の対応で、一度失った客の信頼回復につながるだろうか。