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ウィズコロナの暮らしは?予算編成が大詰め

2020年11月28日 2:14

来年度の予算編成が大詰めを迎えている。新型コロナウイルス感染拡大への対応と経済回復の両立を目指す予算となるが、危機的な財政状況を抱え未来や次世代への配慮が欠かせない。

<新型コロナの対策重視>
来年度予算はウィズコロナ最初となる予算で、新型コロナ対策には多額・多様な予算要求が出ている。政府は雇用調整金助成金の特例や企業への金融支援の延長方針をすでに決めた。

困難な状態にある企業・個人への支援や、新型コロナで遅れがより明らかになったデジタル化・世界が向かっているグリーン化のためには大きな予算がつきそうだ。

ただ、予算が膨らむ分はほぼ次世代のツケとなる借金で賄われる。景気が良い時も財政健全化があまり進まなかった日本は、貴重なお金を効果的に使うことを求められている。

政府は、必要な歳出改革も行う方向だ。

<後期高齢者の医療費窓口負担は>
医療費で、後期高齢者の病院窓口での負担を2割にする政策は、引き上げ対象をどの範囲にするかで調整が続いている。経済界や財務省は、新型コロナで打撃を受けている現役世代との負担の公平化のために、後期高齢者の広い範囲で引き上げを求めるが、医師会や与党からは高齢者の負担増を抑えるべきとの声があがる。

<児童手当の縮小は>
児童手当の縮小も焦点のひとつ。高所得世帯で子供ひとり月5000円給付されている「特例給付」を縮小し、児童手当の給付の判断基準を今の「夫婦で稼ぎが多い方の年収」から「夫婦合算の年収」に変えることが検討されている。政府は手当縮小で生まれる財源を待機児童対策にあてるとしている。

しかし、この基準変更で、夫婦ともフルタイムの共働き家庭などの給付が縮小される可能性がある。子育て家庭や公明党などから「子育て支援の方針に逆行」「共働きに厳しい政策変更だ」という批判が出ていて、調整が続いている。

<税制改正は減税中心>
来年度の税制改正では、デジタル化や事業継承を後押しする法人税減税や、固定資産税の減免、住宅ローン減税の延長など、新型コロナの影響を受ける企業や個人に配慮した減税項目が中心となりそうだ。

新型コロナ対策の要求では、コロナに「便乗」したように見える項目も目につく。コロナ後の日本を見据え、成長や生産性向上につながる支援に重点化して、次の世代にも胸をはれる予算にすることが求められている。