【気象解説】台風7号の今後の進路は? 木原気象予報士に聞く
「非常に強い勢力」で関東に接近するおそれがある台風7号。今後の見通しを木原実気象予報士が解説します。
台風7号が伊豆諸島の南を北上中です。この台風は15日現在も発達中で、15日午前9時には「強い」台風となって、中心付近には「台風の目」も確認できるようになりました。
台風7号は午後3時現在、八丈島の南南東約310キロの所にあって、1時間に15キロの速さで北に進んでいます。台風はこの後、さらに発達しながら北上を続け、16日午前中には八丈島付近を通過。そして午後には発達のピークを迎えて、945ヘクトパスカル、「非常に強い」勢力で千葉県の房総半島にもっとも近づく予想となっています。最新の予想では、進路は房総半島から少し離れた海上を通るコースに変わってきているものの、非常に強い勢力で近づき、中心に近い所では猛烈な風が吹くおそれがあります。
台風7号の「暴風域に入る確率」によると、伊豆諸島や、房総半島の広い範囲が70~100%、神奈川や東京、茨城県などの一部も30~70%のエリアに含まれています。進路は房総半島から少し離れたものの、接近時の勢力は強まったため、暴風域がこれまでの見通し以上に広がる予想に変わってきています。伊豆諸島や関東の海上では、16日は最大瞬間風速60メートルという、一部の住家が倒壊するほどの猛烈な風が吹くおそれがあり、厳重な警戒が必要です。
雨雲の予想を見ると、関東でも15日夜には台風外側の雲がかかってきて次第に雨が降り出します。そして伊豆諸島では15日夜以降、台風本体の発達した雨雲がかかり、非常に強い雨や猛烈な雨が降るおそれがあります。そして、16日午後になると台風本体が関東に接近。関東でも1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、記録的な大雨となる可能性があります。さらに、関東、伊豆諸島、山梨県では、15日夜から16日夜にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が多くなる可能性もあるんです。
■「明るい内」の早めの避難心がけて
お盆のUターン時期でもありますし、さらには夕方の帰宅時間帯を直撃することになる台風7号。気象庁のキキクルや自治体からの避難情報をしっかりと確認し「雨や風が強くなってから」「暗い時間になってから」の避難ではなく、安全に移動できる段階での避難を心がけてください。