レジ袋有料化でマイバッグ定着…意外な現象
去年7月からレジ袋が有料化され、マイバッグが浸透する中、ある意外な現象が起きています。ある製造元では、取っ手つきのポリ袋の売り上げが前年比のおよそ3倍にも伸びているといいます。一体、なぜなのでしょうか?
◆マイバッグ定着で…思わぬ弊害も
埼玉県にある大型スーパー『スーパーマルサン吉川店』には、午前中から多くのお客さんが訪れていました。会計が終わった商品を持参したマイバッグに詰めるこの光景も、だいぶ定着してきています。
会社員「ほとんどレジ袋を利用することはないですね」
こちらの主婦は──
主婦「このメーンがひとつでしょ、大きいのが。あとはこういう小さいもの、これで足りなければこれを使う」
去年7月から始まったレジ袋の有料化。制度開始から半年以上が経過し、こちらの店ではいまは9割ほどがマイバッグを持参しているといいます。
ただ、店側は、マイバッグが浸透したことによる思わぬ弊害も。
齋藤元宏店長「マイバッグを持って来たがために、その気であるかないかはわからないが、そのバッグで万引きをしてしまう、バッグにものを詰めていってしまう」
マイバッグを使った万引きが後を絶たないといいます。
また、会計の際に店員によるマイバッグへの袋詰めをお願いされることがあるといいますが、それを断るやりとりに時間がかかり、結果的にレジを待つ時間が増えてしまうケースもあるということです。
◆有料化で…需要が増えた?
レジ袋が有料化になり、製造元では需要が減ったかと思いきや、取っ手つきのポリ袋などは──
『日本サニパック』井上充治社長「前年比で約2~3倍ということで、非常に需要が増えていると感じております」
ポリ袋は、生活必需品としてゴミ袋の代用や冷蔵庫に食品を入れる際など二次利用されているケースが多く、いまも需要は高いままだといいます。
実際に、東京・新宿区のドラッグストア『ツルハドラッグ新宿上落合店』では──
お客さん「レジ袋が有料化になって、ゴミを出すときに袋がなくなっちゃったので。ほとんどゴミ袋と、子供の洗濯を入れるのに使うくらいで」
有料化が始まって以降、ポリ袋の売り上げが2倍に増えているといいます。
『ツルハドラッグ』スーパーバイザー 屋敷健吾さん「(スーパーなどで)都度レジ袋を買うのではなく、まとめて買った方がお買い得という観点から、お買い求めになるお客様が非常に多いと思います」
◆崩れやすいケーキは…細心の注意が必要
東京・世田谷区の洋菓子店『アーモンド洋菓子店』でも、去年11月からレジ袋を有料化。いまでは3分の2ほどのお客さんがマイバッグを使っているといいます。
ケーキは崩れやすいため、店側は、細心の注意を払っていました。
米田幸介店長「自分で食べるからというお客様もいらっしゃるんですけど、おうちに帰ってきれいな状態で召し上がってもらいたいのが私たちの考えなんですよね」
このため、箱詰めでは少し揺れても崩れないようにケーキを並べます。そして、こちらではお客さんのマイバッグを預かり店員が詰めるようにしているといいます。
米田幸介店長「必ず真ん中にして、持ったときに底が(真ん中に)くる、そういった感じにしています」
中にはケーキに見合わないマイバッグを持ってくる人も。
米田幸介店長「袋が小さいときは入らないので、負担になるけど(有料の袋に)お入れしましょうとお願いをします」
マイバッグが小さすぎる場合や破れてしまっている場合などは、無理にそれに入れず、きれいな状態で食べてもらうため有料の袋を勧めているということです。