国内で品薄…ワクチン運ぶ“保冷バッグ”
新型コロナウイルスのワクチン接種が加速する中、接種会場などに持ち運ぶための保冷バッグがいま、品薄になっているといいます。
◆“保冷バッグ”が全国的に不足
先週、東京・練馬区にある『新田クリニック』で、新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、保冷バッグでワクチンを運ぶシミュレーションが行われていました。
かかりつけ医などでのワクチン接種が可能になり、今後重要になるのが運搬する「保冷バッグ」ですが……国から支給される数は、超低温冷凍庫1つにつき保冷バッグ4つ程度のみ。いま全国的に不足しているのです。
神奈川・大和市では、集団接種や、100前後の診療所などでの接種が予定されていますが……
新型コロナワクチン接種担当 大澤美穂子課長「(保冷バッグ)大体200程度の数をお願いしていまして、何とか入るかどうかなっていうところ」
250か所の診療所で個別接種が予定されている東京・練馬区でも、保冷バッグは全て確保されたわけではないといいます。
東京・文京区にある保冷バッグのメーカー『スギヤマゲン』では……
杉山大介社長「かなりのご注文数をいただいておりますので」
ここでは国から約4万個の発注に加え、自治体からの追加注文もひっきりなし。生産量を10倍以上にしていますが、追いついていないといいます。
杉山大介社長「((注文が)これ以上増えると、お待ちいただかなくてはいけないような状況が発生する可能性はあります」
◆国内で取り合いに…生産に名乗りも
国内で取り合いになっている保冷バッグ。その生産に名乗りを上げた会社があります。埼玉・川口市にある『匯智徳康(カイチトクコウ)』は、すでに生産を行っていた中国の工場と提携し、4種類のサンプルを取り寄せました。
「結構しっかりしてるな」
徐振鋒社長「いかに使いやすくしてあげられるか、それを第一に考えて、そのあと自治体からヒアリングを実施して、こんなふうに絵を描きました」
保冷バッグで一番求められる保冷機能はもちろん、自治体へのヒアリングをもとに“使いやすさ”を追求。ワクチンを入れるインナーボックスは、50本ずつ小分けにして、取り出しやすいようにしました。
この日、社長がサンプルを持って向かったのは、自治体から、ワクチンの接種会場の設営や小分け輸送などを依託されている会社です。
会場設営・小分け輸送担当者「今、気にし始めているのは耐震性がどうなのかというところ」
振動に品質が低下する可能性があるため、ワクチンをいかに揺らさないように運ぶか、細かい指摘が入ります。さらに……
会場設営・小分け輸送担当者「ファスナーでもいいのかもしれない」
今後、中国の工場と検討を重ねていくといいます。
来月にも始まる高齢者へのワクチン接種。自治体や企業の準備はさらに加速していきます。