銀座のソニービルが“公園”に生まれ変わる “カドのビル”一風変わった戦略
いま“都心の交差点のカド”に新しいスポットがオープンしています。銀座で先月、生まれ変わったかつての『ソニービル』、こちらを取材すると従来の商業施設とは一味違う変わった戦略がありました。
後藤楽々キャスター
「あちらに他のビルと比べてちょっと低めのビルがありますね。We are back, Ginza!って書いてあります」
今年1月、銀座の数寄屋橋交差点のカドに帰ってきたという『Ginza Sony Park』。
実はここ、1966年からおよそ50年にわたり親しまれたソニービルがあった場所。当時は、ビルなのに入り口に大型水槽を設置し、他にはないユニークな取り組みで銀座のランドマーク的存在となっていました。その後、8年の時を経て再びユニークなビルが開業しました。
後藤楽々キャスター
「個性的な建物になっています」
中に入ると、見渡す限りがらんとしていて店も、何もありませんそこにはある狙いが。
ソニー企業株式会社 代表取締役社長 永野大輔さん
「銀座にソニーが作った公園。街に開かれた施設というコンセプトなんです」
まるで街の一部のような、開かれた空間を目指しているといいます。
ソニー企業株式会社 代表取締役社長 永野大輔さん
「銀座の街を歩く人や車を見ているのが飽きない」後藤楽々キャスター「優雅ですね」
柱に映る影すらもアート感覚で楽しんでもらいたいそうです。
一方で、公園といえば緑を連想しますがあえて緑はなくしたといいます。
ソニー企業株式会社 代表取締役社長 永野大輔さん
「訪れた人が自由に過ごせる場所を作ることが大事だと考えて、緑にこだわらずに、“余白”にこだわって作った」
あえての“余白”。利用者に思い思いに過ごしてもらうことが狙いだそうです。
待ち合わせで利用していた男性
「おしゃれというか、ぜいたくだと思います。無駄な空間が」
神奈川県から来た親子
「何もないところが逆に新鮮」
建物は、地下4階から地上5階建て。何もないフロアがある一方でさまざまなアクティビティーがあります。
後藤楽々キャスター
「ヘッドホンをつけていらっしゃいますね」
実はこれ、有名ミュージシャンが選曲した約200曲をヘッドホンで聴けるという体験。曲に関連した懐かしいグッズも展示しています。
さらには、新感覚の食体験も。1皿で2つの料理を一度に味わってもらうと同時に、料理にまつわる豆知識も紹介しているんです。
後藤楽々キャスター
「カツサンド。1935年から歴史が始まっているんだと思うと、昔からこれが愛されていたんだなという歴史を感じながら食べるというのは新感覚!」
続いて、原宿・神宮前交差点のカドにある、ユニークな新スポット「ハラカド」。都心の商業施設に銭湯が入ったことでも話題になりましたが、今回注目したのは、3階のフロア。
後藤楽々キャスター
「見てください。パソコンを開いて作業をしている方々がいます」
お客さんが行き来する中で働く人たち。実はフロアの一角にデザイン会社のオフィスが入っているんです。さらに別の区画には会員制のワーキングスペースも。
なぜ店舗ではなく、働く場を作ったのでしょうか?
東急プラザ原宿『ハラカド』総支配人 小柴るみさん
「ハラカドのコンセプトが、文化創造の発信拠点となる創造施設商業施設ではなく創造施設をコンセプトにしている」
商業施設に、クリエーターたちが集う場を作ることで原宿の交差点から新たな文化を発信するのが狙いだといいます。
実際にこの場所が情報交換の場にもなっているそうで…
利用者(広告関係)
「何人かここでつながりができてお仕事が生まれたりとか」
後藤楽々キャスター
「仕事の輪が広がるという可能性もあるんですね」
交差点のカドが変わる。常識にとらわれない発想で新たな楽しみ方が広がっています。