SNSから生まれた”斬新すぎる”コラボ
SNS上の予期せぬ出会いから、異色のコラボ商品が生まれました。
■食べたくなる?ちょっと変わったコラボインク
文具メーカー「石丸文行堂」が発売したのは、おつまみやおやつとして親しまれている「岩下の新生姜とコラボした万年筆のインク。インクの色は、新生姜の漬け汁をイメージしたピンクですが、絵筆などを使って水でのばすと、ショウガの断面のような黄色も表れます。こだわったのは、その香り。インク瓶のふたを開けた瞬間に「岩下の新生姜」独特の爽やかな香りが漂います。
■こんな商品「斬新すぎ」?始まりはつぶやきから
インクと「新生姜」という異色のコラボは、どうして実現したのでしょうか?
「今日のおやつ。#岩下の新生姜からっ!うま?????この色and香りのインク作ったら斬新すぎる…!?」
去年9月。石丸文行堂の公式Twitterに投稿された文章です。アカウントの“中の人”である宮崎有沙さんが、在宅勤務中におやつとしてかじった「岩下の新生姜」の写真とともに、何気なくつぶやきました。
思わぬ反応があったのはそれから約2時間半後。岩下食品の岩下和了社長本人から、リプライが届いたのです。「ぜひぜひなにか一緒にできたらうれしいです」
それから1ヵ月後には商品化に向けた話し合いがスタート。宮崎さんが先頭に立ち、「岩下の新生姜」らしい色と香りをとことん追求しました。
■予想を超えたヒット商品に
約半年間の試行錯誤を経て完成したインクは、発売から3日で500本が売り切れに。実際に手に取った人からは、「笑えるくらい岩下の新生姜の香り」というコメントも届いたということです。ただし食用ではないため、オンラインストアでは「うっかり口に入れないように」と呼びかけています。
■チロルチョコ各地の人気商品と「夢のコラボ」
企業のSNSがきっかけで生まれたコラボ商品は他にも。先月「チロルチョコ」が発売したのは、宮城の「ずんだシェイク」、東京の「東京ラスク」、大阪の「ベルギーワッフル」、福岡の「めんべい」と、それぞれコラボした4種類のチロルチョコ。味だけではなく食感も再現したということです。東北から九州まで拠点が異なるメーカー4社の人気商品とチロルチョコとの出会い。きっかけは、SNS上で行われたキャンペーンでした。
■コロナ禍の「#おかしつなぎ」がもたらした新たな関係
新型コロナの影響で外出自粛が本格化した1年前、チロルチョコはTwitterを通じて応募者に商品をプレゼントするキャンペーンを行っていました。「#おかしつなぎ」として拡散されたこのキャンペーンは、他の食品メーカーにも広がりを見せ、最終的には80社が参加して応募者に多くのお菓子を届けました。そして、キャンペーンの終了後には副産物も。参加した企業同士で新しいコラボ商品を開発しようという動きが出たのです。
今回発売された商品は、チロルチョコがキャンペーンに参加していた4社に声をかけて実現した「夢のコラボ」だということです。チロルチョコでは、「外出ができないなかでも、チョコレートと、そのもとになった各社の商品とを食べ比べて楽しんでほしい」としています。