「砂糖」が高騰 おみやげ業界の活気が戻る中…菓子メーカーなど悲鳴 食卓にも痛手
食品や料理に欠かせない「砂糖」の価格が高騰しています。夏休みやお盆で、おみやげのお菓子などの需要も高まる中、菓子メーカーやスーパーからは悲鳴が上がっています。
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28日、東京駅直結の百貨店では、開店直後からお菓子売り場に行列ができていました。そのお目当ては、しっとりとした生地にキャラメルとクルミを挟んだ銘菓「クルミッ子」です。
お客さん
「(個包装単位で)100個以上買ってしまった」
「故郷の広島に帰省するので手土産に」
その盛況ぶりは…
――売り切れちゃいました!?
「はい、また売り切れです」
開店からわずか1時間半で完売しました。
夏休みシーズンに入り、活気を取り戻すおみやげ業界。しかし、その勢いが失速しかねない深刻な事態が起きていました。
神奈川・横浜市にある「クルミッ子」の製造工場を訪ねました。キャラメルや生地に大量の砂糖が使用されますが、その価格が…
鎌倉紅谷 柳澤高峰さん
「2021年と比べると約2割くらい(仕入れ)価格としては上がっている」
「上白糖1キログラム入り」の東京での小売価格をみても、2年前には190円台でしたが、今月は248円と50円ほど上がっています。大手メーカーのDM三井製糖によると、原料となる「粗糖」の価格が主産地ブラジルの天候不順などで高騰していて、このメーカーでは、今月1日出荷分から上白糖1キログラムの価格を12円値上げすると、問屋などに通知したということです。
「クルミッ子」などを作るために1日に900キロもの上白糖を使用。創業約70年のこの菓子メーカーにとっても、経験のないほどの砂糖の高騰です。
鎌倉紅谷 柳澤高峰さん
「上がり幅でいうと、これだけ上がったことはない。非常に厳しいというところではある」
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砂糖はさしすせその「さ」、基本の調味料です。
買い物客
「ほぼ毎日使っていると思います。煮物とか照り焼きとか、お肉焼くときのソースには入っている」
煮物や煮魚など和食に重宝。食卓にとって砂糖の値上げは、やはり痛手です。
安さを売りにしている都内のスーパーでは、特売品の目玉として砂糖1袋を181円で販売しています。しかし――
ABS卸売センター本店 唐鎌孝行代表
「(利益は)ほとんどないです、サービス品なので。赤字ではないですけど、ほとんど原価すれすれ」
そのため、このスーパーでは値上げ前に仕入れた砂糖の在庫がなくなり次第、値上げも検討しているといいます。
ABS卸売センター本店 唐鎌孝行代表
「砂糖を原料にしている加工食品とか、上がりますね」
大手メーカーによると、砂糖の価格の高止まりは年内いっぱい続く見込みだということです。物価高が続く中、ほかの食品への影響が懸念されます。