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「相場操縦」疑いで証券幹部逮捕 注目の「ブロックオファー取引」とは…記者解説

2022年3月6日 23:59

株式市場で「相場操縦」を行った疑いで、SMBC日興証券の幹部4人が逮捕されました。「ブロックオファー」と言われる取引で違法行為があったとみられています。

■ブロックオファー取引とは

上場している企業の株式を大量に売却したい大株主などが、そのまま市場で売却すれば大量売却で株価が下がってしまう恐れがあるため、証券会社に売却を依頼します。

証券会社は、売却予定日の前の日の取引終了後(午後3時以降)、「買い手」を探します。

売却額は、売買執行日の終値から一定の率を割り引いた価格に設定されるので、買い手にとっては「割安で買える」ことになります。

さらにこの取引では「委託手数料」がとられないのも買い手にとってメリットです。

Q:証券会社にとってのうまみは?

A:証券会社は、売り主から株式をディスカウント価格で引き取ります。
(売り主は、自分で売却して株価が下がるよりは、割り引きされてでも証券会社にまとめて買い取ってもらうことを選択)

買い取り価格と、売却価格の差額が証券会社の利益になります。

Q:今回の容疑は?

A:SMBC日興証券は、ブロックオファー取引の売買執行日に、自社の資金で株式市場で対象の銘柄を購入。つまり、証券会社による不正な「買い支え」で対象銘柄の株価下落を防ぐことにつながります。

実際に市場価格に影響を与えたかは明らかになっていませんが、もし不正な「買い支え」をしていたら、売却側にとってはプラスとなり、「個人投資家を中心とする」購入側にはデメリットになります。

Q:動機はなんでしょう?

A:動機については捜査中で明らかになっていませんが、買い支えは成果につながります。前の日の終値が期待よりも低ければ、売り主は売却をキャンセルすることができます。

終値を一定程度に維持できれば、キャンセルされる可能性が低くなる、つまり成果につながる、というメリットがあります。

Q:SMBC日興証券は今回の不正の要因をどう見ているのか?

A:「捜査結果と社外の弁護士らによる調査委員会の調査結果を待ちたい」と繰り返していますが、「ブロックオファー取引」についてのリスク認識が低かったことから、「ブロックオファーに特化したルールを設定していなかった」ことを問題の一つとしています。

「ブロックオファーに関する審査項目」がなかったため、システムが大量売却を抽出していても、審査担当者が「ブロックオファーの買い支えではないか」などの視点で審査していなかったということです。