岸田首相、“経済対策”とりまとめ閣僚に指示 今後の2つの焦点とは――
岸田首相は26日の閣議で、物価高対策などを柱とする新たな経済対策のとりまとめを関係閣僚に対して指示しました。
岸田首相は物価高への国民の不満が高まる中、閣僚らへの指示で「税収増による成果の還元」「社会保障負担の軽減」など国民負担を減らすというメッセージを出しています。
鈴木財務相
「物価高から国民生活を守り、構造的賃上げと、投資拡大の流れを強化するため、真に必要で、効果的な政策を積み上げていくことが必要と考えております」
岸田首相は26日の閣議で、閣僚に対して「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すること」「給付措置に加え、税や社会保障負担の軽減などあらゆる手法を動員すること」などと指示しました。
新たな経済対策では物価高対策、賃上げの実現、国内投資の促進などが柱となります。政府は今後、来月中のとりまとめを目指し検討を本格化させます。
今後の焦点は2つあります。
1つ目は、減税措置や給付措置など、首相が表明した措置の中身です。政府関係者からは「『負担減』『減税』というイメージが先行しているが、中身が詰まっていない」と困惑する声があがっています。
2つ目は、財政規律です。別の政府関係者は、ここ数年、コロナ禍の給付など大規模な財政出動が続き、財政規律が悪化する中、「いま、なぜ実質的な減税をする必要があるのか」との指摘も出ています。
今後、政府内、与党内の調整でこうした批判も踏まえて、どれだけ適切な規模で実効性のある政策が打ち出せるかが問われます。