岸田首相“新たな経済対策” 大きな柱は5つの見通し
岸田首相は、まもなく新たな経済対策について自ら、その柱を発表します。中継です。
対策の柱は5本になる見通しです。ある政府関係者は、特に「中小企業への『賃上げ支援』がハイライトになる」と話しています。
1つ目の柱は「賃上げ支援」で、主に中小企業に対する税制面での対策を含めた支援を行う考えです。岸田首相は自ら、いわゆる「年収の壁」解消に向けた対策を打ち出す見通しです。
まず1つ目の壁「年収130万円の壁」ですが、一時的に超えても、連続2年までは扶養内にとどまれる案が検討されています。
次の壁「年収106万円の壁」ですが、解消に向けて企業に対し、1人あたり最大50万円の助成金を検討しています。
来月からスタートする見通しで「年収の壁」解消につなげたい考えです。
2つ目の柱は「物価高対策」です。ガソリン価格や電気・都市ガス料金の負担軽減策などが盛り込まれる見通しです。このほか、「投資促進策」や「人口減少対策」なども入るとみられます。
松野官房長官「急激な物価高から国民生活を守り、構造的賃上げと投資拡大の流れを強化するなど、速やかに検討を進めてまいりたいと考えております」
――このタイミングで対策を発表する狙いは、どこにあるのでしょうか。
岸田首相の狙いに、2つの「疑問」が投げかけられています。
1つ目は、なぜ首相発表が先なのかという疑問です。25日に岸田首相が発表した後、26日に関係閣僚に指示を出す順番になっています。これまでは、まずリーダーとして部下の閣僚に指示を出した後、自ら発表することが多かったのが、今回は「逆」なんです。
2つ目は、なぜ今、次々に経済対策を打ち出すのかという疑問です。こうした疑問に対する答えとして、ある政府関係者は「首相のリーダーシップを演出したいのだろう」、別の関係者は「官邸の求心力アップにつなげたいのだろう」と解説しています。
――仮に求心力がアップした場合、岸田首相が次に考えるのは、どんなことなのでしょうか。
今、岸田首相が次の策として「におわせている」ことが、衆議院の解散・総選挙です。
ある自民党の閣僚経験者は「経済対策を急ぐのは、その先に解散を考えているから」と分析しています。さらに、岸田首相が経済対策を打ち出す一方、裏付けとなる補正予算案の審議日程を明らかにしていないことから、解散を「におわせている」とみられているんです。
25日午後6時からの岸田首相の発表で、こうした疑問が解消につながるか、もしくは「におわせたまま」なのかも、しっかり聞きたいと思います。