「年収の壁」解消へ…厚労省部会で議論始まる
年金制度のいわゆる「年収の壁」の解消に向けた本格的な議論が厚生労働省の部会で始まりました。パートで働く主婦の社会保険料の負担について多くの意見が出されました。
会社員の扶養家族である配偶者は保険料を負担せず老後の年金を受け取っていますが、年収が106万円を超えると、保険料を自ら負担することになり、手取り収入が減ることがいわゆる「年収の壁」と呼ばれています。
その課題の解消のためきょう厚生労働省の年金部会で、保険料を一定の年収まで免除する案などが示されました。
この問題をめぐっては保険料の負担が発生しないよう労働時間を調整する人がいることから、きょうの部会では週20時間未満などより短時間で働くパート従業員なども勤め先の企業の厚生年金に加入する制度をすすめることで問題を解消すべきとの意見が多く出ました。
政府は、当面の対応策として従業員の年収が106万円を超えた場合に手取りが減らないよう取り組んでいる企業に助成金を支給する制度などを今月中に発表する予定です。
一方、根本的な制度の改正については2025年度の年金制度改革にむけ今後も厚労省の部会で議論をすすめる方針です。