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各社で入社式 ソニーグループ、東芝、三菱電機、キヤノン、シャープ、京セラ、キオクシア、ダイキン工業 各社トップの祝辞

2025年4月1日 14:12

1日は各社が入社式を行いました。トップの祝辞をまとめました。(一部、抜粋しています)

■ソニーグループ 十時裕樹社長

ソニーのPurpose(存在意義)は「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」です。このPurposeのキーワードである「感動」という言葉は、平井さんが打ち出したものです。そして、吉田さんがこの「感動」を継承し、Purposeを導入しました。

昨年、この Purposeを羅針盤として、10年後のソニーのありたい姿を示す長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を策定しました。このCreative Entertainment Vision を実現するための最大のドライバーが、「事業と人材の多様性」と「バウンダリースパナー」です。

「自分が知らないことを気付かせてくれる」ものが「多様性」です。多様な経験、多様な事業、そして多様な人に接することで、自分が知らないということを改めて知ることが、私たちの価値の源泉の一つです。社会人になり「知らないこと」が増えますが、前向きに捉えて、「知らないこと」にあふれたソニーで、新たな学びを成長の糧にしてください。

多様性の中で、重要な役割を果たすのが、「バウンダリースパナー」です。多様性を有機的につなぎ、シナジーを生み出し、新たな事業機会や価値を創り出す触媒となる役割を果たす人となります。今後それぞれの会社や組織での役割を果たしながら、時には目線を高く、グループ全体を俯瞰(ふかん)してみることも、大切にしていただきたいと思います。そして、いずれはバウンダリースパナーとなって、グループに大きな価値をもたらす役割を担ってくれることを期待しています。

■東芝 島田太郎社長

皆さんは、本当に素晴らしい会社に入社しました。その理由は3つあります。

最初の理由に、当社に入社した皆さんが、頻繁に聞く事になる言葉があります。「人と、地球の、明日のために。」

最近、パーパス経営という言葉が盛んに叫ばれています。「パーパス」は「目的」という意味を持つ言葉で、「パーパス経営」とは、企業が存在する目的や存在意義を軸に据えた経営を指します。企業の存在価値や意義を示すことが求められる時代になってきたということです。

しかし、東芝は「人と、地球の、明日のために。」というこの言葉を、パーパス経営という言葉が叫ばれる随分前、1990年代から企業理念として持っています。

なぜ今、パーパス経営が注目されるのでしょうか。地球が耐えられないくらいまで開発されてきたこの世の中で、我々は、収入の源泉である成長や利益と、世の中の継続性を両立しなければいけません。そのためにパーパスを大切にしなければならないということです。

「人と、地球の、明日のために。」こんなに素敵な言葉があるでしょうか?修飾するような形容詞がないのです。名詞だけで構成されている言葉は、人間の想像力をかき立て、無限の広がりを感じさせます。

「人と、地球の、明日のために。」なる事とはいったい何なのか?自らに、常に問いかけることで、我々のやるべき事が幅広く、かつ無限の可能性を持って、広がっていくのです。皆さんも想像力を働かせ、自分のやるべき事は何か、考えてみてください。

次に、この言葉を見ると力が湧いてくる、優秀かつ誠実で謙虚な人がこの会社に満ちあふれている事です。

地震や災害があっても、我々が普通に生活ができるその裏に、東芝の人達がいます。何気なく使っている電力や、鉄道、改札機、ETC、そしてデジタルのサービスの裏には、それらを支えている多くの東芝の人達がいるのです。

そしてもう一つ、一番大切な事は、世の中に存在しないものを生み出せる会社だという事です。東芝から生み出された世界初の製品は、数多くあります。こんな事が出来る会社は、そんなに沢山はありません。

そして今この瞬間にも、新しい技術を生み出そうとしている東芝で、今日から皆さんも一緒に、働くことが出来るのです。あらためて、東芝グループへの「参加」、心から歓迎します。

誠実に、謙虚に、聡明に、そして楽しく、素晴らしい仕事を、一緒にやって行きましょう。「人と、地球の、明日のために。」

■三菱電機 漆間啓社長

当社の企業コミットメントは、Changes for the Betterです。現状に甘んじることなく、変えるべきものは常に良くなるよう変えていき、もっと素晴らしい明日を創っていきましょう。世界情勢は大きく動いています。この時代を勝ち抜いていくためには、チームで知恵を出し合い解決策を導き出し、うまくいかなければ修正していく必要があります。

当社は、2022年春にグループ創生に向けた「骨太の方針」を策定してから3年、「上にものが言える風土」「失敗を許容する風土」「共に課題を解決する風土」の醸成を掲げ、組織風土改革に取り組んできました。皆さんもおかしいと思ったことには声を上げ、皆で相談して解決していきましょう。

当社は、サステナビリティを経営の根幹と位置づけ、社会課題の解決と事業の成長を同時に成し遂げながらサステナビリティを追求する「トレード・オン」の実現に取り組んでいます。当社はイノベーションの会社です。各事業でイノベーションを起こし、社会課題の解決に取り組んでいってください。

そのためにはデータの活用は欠かせません。当社はデジタル基盤「Serendie」を活用し、お客さまから得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する 「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。

当社が、新しいアイデアを取り入れ、リスクも取りつつ新たな価値を生み出していく 「イノベーティブカンパニー」へと変革していくため、ぜひ皆さんのフレッシュな創造力を発揮してください。

企業理念は会社のパーパス、志です。皆さんも、自身のパーパス、志を掲げ、仕事を通じた成長と自己実現につなげていってください。そして、一人ひとりのパーパスと会社のパーパスが重なりあう部分を見つけて、社会課題の解決に取り組んでいきましょう。

まずは目の前の業務に誠実に取り組むとともに、社内外でさまざまな経験を積んで自分の人生を豊かにしてください。それが三菱電機の企業価値の向上にもつながると信じています。

■キヤノン 御手洗冨士夫会長兼社長

キヤノンは、1937年に「世界一のカメラを作りたい」という壮大な夢と強い情熱を持った数名の技術者と一人の医者で始まった会社です。そして、「健康第一主義」「実力主義」「新家族主義」という三つの社是を作りました。これらは、今では当たり前と思われることかもしれませんが、当時の社会情勢から見ると進歩的な考えでした。この社是のベースにあるのが、社員を大切にする「人間尊重主義」と、新しい価値を追求し続ける「進取の気性」であり、今日に至る88年の歴史の中で、今でもキヤノンの基本的な経営思想となっています。

このようなキヤノンにおいて、私がみなさんに期待することは「そうぞう力」を養うことです。「そうぞう力」には2つあります。つまり、ビジネスパーソンとして将来の変化を予測する「想像力」と、物事を実現し新しいものを生み出す「創造力」であり、これらを身につけてほしいと思います。

みなさんは学生時代、知識を習得することにまい進してきたのだと思います。しかし、社会人では、知識は目的ではなく手段です。蓄積した知識を手段として、2つの「そうぞう力」を十分に発揮し、みなさんの人生の発展と会社の発展が一致することを目指していただきたいと思います。

■シャープ 沖津雅浩社長

皆さんにはこれから、各職場に入り、仕事のやり方や基本を先輩方から学んでいただきたいと思っていますが、これまでのやり方が、必ずしも今後も最善であるとは限りません。

例えば、皆さんの中には、大学時代にリリースされたChatGPTなどの生成AIを自らの研究や学習に、積極的に取り入れてきた方も多くいるのではないでしょうか?

このように、日々技術はすごい勢いで変化し、環境も変わっています。そして、こうした変化にスピードを上げて機敏に対応し続けることが、会社の競争力に繋がります。

皆さんには、まっさらな状態で仕事を学ぶという強みがあります。先輩からの教えはもちろん大切ですが、それをただ単に実践するだけでなく、新しい手法を取り入れて効率よく上手くいく方法はないか、一度自ら考えてみてください。そして、先輩を超す仕事にチャレンジするという気概を持って、業務に励んでいただきたいと思います。会社も皆さんのチャレンジを力強くサポートしていきます。

最後は、失敗を恐れるな!です。皆さんにはこれから、グローバルの舞台で活躍していっていただきたいと考えていますが、例えば、世界をリードするアメリカの大手IT企業、成長著しい中国企業など、グローバルでの競争相手は、ものすごいスピードで、次々と新しいことに挑戦し続けています。

何かに挑戦し、たとえ失敗しても、そのやり方ではダメだという学びになりますし、次の挑戦に繋がりますが、そもそも挑戦せず、じっとしていては何も得ることはできません。さらに、自分で考え、挑戦し、それが成果に結びついてこそ、仕事が面白くなります。皆さんはまず、失敗を恐れず走りだしてください。

■京セラ 谷本秀夫社長

皆さんの活躍に向けて、大切なことを2点伝えたい。

1点目は「チームワークを大事にする」こと。京セラは「心をベースとした経営」を重視している。チームメンバーと日常的に会話を交わすことで、互いの考えや意図を理解し合い、信頼関係を築いてほしい。

2点目は「変化を恐れない挑戦の姿勢を持つ」こと。京セラは常に革新を追求し、新たな価値を創造し続けてきた。柔軟な思考と挑戦する姿勢が必要であり、変化を恐れず、新しい技術や方法を学び続けることで、個人の成長と会社全体の発展に寄与してほしい。

創業者・稲盛和夫は持続的な売上拡大と高い利益率を実現し、全ての面で人々から尊敬される企業の中の企業「ザ・カンパニー」の実現を目指した。この夢を共に追い求める一員として、皆さんの活躍を期待している。今日から始まる皆さんの新しい人生が素晴らしいものとなることを心からお祈りする。

■キオクシア 早坂伸夫社長

キオクシアは、これからは上場企業グループとして、日本はもとより、世界から注目され、多くの株主やステークホルダーの方々から、当社の企業価値や社会的責任などが評価されていきます。ステークホルダーの方々からの期待に応えるために、キオクシアの強みである技術力、製造力、マーケティング・販売力などをさらに強化して企業価値を高め、さらに成長していきたいと考えています。

10年先、20年先の未来を創っていくのは皆さんです。思い描いた未来を実現するには、一人ひとりの強い情熱と弛(たゆ)まぬ努力、そして社内外を問わず、多様な人たちとの協力関係を構築することが欠かせません。先輩、同期、後輩を含め互いに尊重しあい、議論を重ね、周囲の人とは積極的にコミュニケーションを取り、切磋琢磨(せっさたくま)してください。

そして、失敗を恐れず果敢に挑戦し、失敗してもそこから学ぶこと、すなわち『前向きな失敗』をたくさん経験してください。その積み重ねが皆さんのさらなる成長を促してくれます。我々も皆さんを最大限応援し、サポートします。

■ダイキン工業 竹中直文社長

今日、企業は売上をあげるだけではなく、環境や社会貢献することが重視されています。私たちは世の中の変化をチャンスとして新しいものを生み出し経済価値のみならず環境価値・社会価値を作り貢献していきます。例えば、エアコンが普及していない国や地域に空調機を普及させれば、そこで暮らす人々が快適な空間を手に入れ、生活の質の向上を実感できます。カーボンニュートラルの実現につながる環境への貢献も欠かせません。省エネ・環境技術に磨きをかけ続け、事業の成長を通じた環境課題の解決に貢献していきます。

変化の激しい時代においては、ダイキンが培ってきた強みを最大限に発揮することが大切です。企業にとって大事なことは「変化への対応力」です。これは、ダイキンの強みでもあります。変化を先読みし、いち早く備えること、次々と手を打ち他社よりも半歩先にいくことです。皆さんの先輩は常にこうした意識で真正面から高い目標に挑戦し続けてきました。さらに、社会から求められることが大きく変わるいま、イノベーションを加速していく必要があります。イノベーションにつながる新しい気づきや知恵を得るには、さまざまな方法がありますが、やはり「新しい人に出会う」ことが最も大切だと思います。

新入社員の皆さんは、これから社内外のさまざまな人に出会い、積極的に議論し、新しい知見を吸収してください。そして、何より「現場」を大切にしてください。AIやDXが進化している今の時代、データとリアルをつなげるためにも、現場での議論やインフォーマルな情報が今後ますます大切になると思っています。

当社の企業文化である「一人ひとりの成長の可能性を信じる」という考えの下、我々は皆さんの挑戦を歓迎するとともに、ダイキンのフィールドを大いに活用し、社内外を縦横無尽に走り回って、成長し続けてほしいと願っています。

最終更新日:2025年4月1日 14:38
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