各社で入社式 三井住友銀・福留頭取、みずほFG・木原社長の祝辞
1日は、各社が入社式を行いました。トップの祝辞をまとめました。(一部、抜粋しています)
■三井住友銀行 福留朗裕頭取
米国トランプ大統領による大胆な政策転換や、深刻な内需不振が続く中国経済など、足元はリスク要因も散見されますが、世界経済は底堅く全体としては緩やかな成長が続く見込みです。
国内に目を向けると、「金利ある世界」への移行が進むなかで、日本経済は少しずつ動き始め、眠っていたお金が動き出して回り出す、そういったダイナミズムがでてきています。銀行としては、経済の好循環の定着に貢献し、社会的価値の創造に取り組んでいく必要があると言えます。
新入社員へのメッセージ
(1)「Integrity」と「Customer First」の精神を貫いてほしい
学生時代と異なり、正解のない中でも意思決定を行い、前に進んでいかなければなりません。その中で何をよりどころにすれば良いのか。判断に悩んだ際、私が立ち返るのは、「Five Values」です。ぜひ皆さんには、正々堂々、誠実に行動し、お客さまや社会のお役に立つという軸をしっかりと打ち立ててほしい。
(2)失敗を恐れず、何にでも果敢にチャレンジすることで、自身の可能性を広げてほしい
自ら変わっていくという気持ちが少しでも欠けると、たちまち競争力を失ってしまう時代です。皆さんには失敗を恐れて挑戦しないのではなく、例え失敗したとしても挑戦することをやめないでいただきたい。若い時にどれだけいろいろなことにぶつかり、そして失敗したかが、皆さんの成長曲線を高め、プロとしての付加価値を決めていきます。近視眼的になり過ぎず、志高く、ぜひ 色んなことに挑戦をしてください。
(3)さまざまなことに興味を持ち、多様な考えや価値観に共感できる人になってほしい
銀行の仕事の醍醐味(だいごみ)の1つは、組織や人を動かすことで自分一人では出来ないダイナミックでスケールの大きなビジネスにかかわれることです。人を動かす為には、まず相手に興味を持つことや、異なる考えや意見に対して、開かれた、柔らかな心を持って接することが必要です。 自分の考えと異なるものであっても、相手の考えを否定せずに共感できる人になってほしい。
我々一人ひとりが、小さな心の変革から始め、世界中で少しずつ行動を変えていけば、いずれ大きな潮流となって当行全体の運命さえもより良い方向に変えられると思います。そして、SMBCグループのビジョンの実現、ひいては、社会や人々が持続的に豊かになる、「幸せな成長」の実現にもつながると信じています。こうした前向きな気持ちで、楽しみながら、皆さんと共に日々前進していきたいと思います。
■みずほフィナンシャルグループ 木原正裕社長
みずほのパーパス「ともに挑む。ともに実る。」を実践していくことでどのような未来を創造していきたいか、〈みずほ〉の歴史や先人たちから受け継いだDNAも踏まえつつ未来に向かって発揮しうる強みは何か、この二軸でビジネスの注力テーマを 5つ明確化しました。
1つ目は、顧客利便性の徹底追求です。デジタル、コンタクトセンター、店頭、それぞれのお客さまとの接点は、お客さまの目線にたって利便性を高めていくことが不可欠です。デジタルが当たり前の世界で育った皆さんの忌憚(きたん)のない声を積極的に発信してもらいたいと思います。
2つ目は、国内の資産形成・資産運用。そして3つ目が日本企業の競争力強化です。日本が再びグローバルな競争力を高め、世界に存在感を示していくためには、国力の底上げは欠かせません。〈みずほ〉としても、中堅中小企業の成長支援、事業承継支援、イノベーション企業の育成等に力点を置きながら、取り組みを深めています。
4つ目はグローバルな投資銀行ビジネスです。1年前に買収した米国 M&A ブティックファーム、グリーンヒル。これが起爆剤となり、日系企業はもちろん数多くの非日系企業にもさまざまな成長機会を提供しています。
そして5つ目がサステナビリティ。気候変動対応や格差是正といった持続可能な社会実現に向けたさまざまな取り組みです。〈みずほ〉は、宇宙開発、バイオ、AI等、新しい技術領域への投資も推進しています。
これら5つの注力ビジネステーマは、それぞれ単独に存在するものではなく、相互に連関させていくことで、〈みずほ〉の強みが発揮されていくものと考えています。それぞれの強みに磨きをかけ、そしてつなぎ合わせていくことで、〈みずほ〉の独自の強みへと昇華させていきたいと考えています。
新入社員の皆さんは、今、緊張と不安でいっぱいだと思います。フェアでオープンなのが〈みずほ〉のカルチャーです。若い人でもひるむことなく意見を述べて挑戦できるのが〈みずほ〉の良さであり、それが将来の〈みずほ〉の競争力の源泉にもつながっていくと確信しています。この広いフィールドのなかで、大きな志をもち縦横無尽に活躍されることを期待しています。「ともに」、頑張りましょう。