子どもが嫌がる粉薬…「ねるねるねるね」で楽しく飲みやすく 決まった時間に服薬を促すロボットも登場
薬の飲みにくさや飲み忘れを解消する取り組みが進んでいます。菓子メーカーが、服薬専用の「ねるねるねるね」を開発。都内の介護機器メーカーは、設定した時間に服薬を促してくれるロボットのレンタルを開始しました。
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突然、訪れた秋。激しい寒暖差に、みなさん体調を崩しやすくなっていませんか。
この時期に苦労するのが、子どもに薬を飲ませる方法です。
3歳と8歳と11歳の子を持つ父親
「量が多かったりすると途中で飲まなかったり、残しちゃったり」
5歳と8歳の母親
「薬ってわかった時点で、とりあってくれない感じ」
特に難しいというのが粉薬です。
5歳と8歳の母親
「粉?」
2歳と6歳の母親
「粉すごい嫌がるよね」
「水に溶いても味が苦かったりとか、アイスとかにくるんでもすぐバレて、全然飲んでくれないので」
子どもにとってはつらい「おくすりタイム」。少しでも楽しくしようと、菓子メーカー「クラシエ」が開発したのが、服薬専用の「ねるねるねるね」です。「子どもに薬を飲ませるのに『ねるねるねるね』を使っている」という薬剤師の声をきっかけに開発を開始しました。
開発した「おくすりパクッとねるねる」は、薬の効能に影響がないよう国立成育医療研究センターと共同研究し、アレルギー物質は使用していないといいます。(※今月16日から全国のドラッグストアを中心に販売予定)
クラシエ・ねるねるねるね担当 木下優さん
「お菓子の『ねるねるねるね』のような、フワフワとふくらむものを利用して、(薬を)飲みやすく楽しく飲めるような『服薬補助食品』になります」
作り方はお菓子と同じです。水と専用の粉をよく練って、最後に薬を混ぜれば完成です。
粉薬が苦手なスタッフが、実際に薬を混ぜて食べてみました。
記者
「フワフワしていて、口に入れた瞬間、甘い味がします。薬を飲んでいるって感じは全然しないです」
薬だけで満腹にならないよう、量はお菓子の3分の1程度に。薬との飲み合わせを考えて、酸味をおさえたといいます。
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“薬の飲み方”に悩みがあるのは、子どもだけではありません。都内の介護機器メーカー「メディカルスイッチ」が高齢者向けのサービスとして始めたのが、設定した時間に服薬を促してくれるロボットのレンタルです。(※FUKU助 レンタル1万1000円/月)
ロボットが「フクダさん、まもなくお薬の時間です」などと呼びかけてくれます。
液晶画面に表示されたボタンを押すと「お薬の準備ができました。どうぞお取りください」というアナウンスとともに、その時間に飲む薬が出てくる仕組みになっています。
1か月分の薬が収納可能で、薬を取り出した際には家族などのスマートフォンに通知を送ることができます。
メディカルスイッチ 宮下直樹社長
「薬の飲み忘れや飲み間違いでお困りの高齢者の方が非常に多い。ロボットがお薬をお出しすると、介護者の負担がぐっと減ると思います」
企業の工夫で、薬の飲み忘れや飲みにくさを解消する取り組みが進んでいます。